菅政権への期待と不安

歴代最長の安倍政権を官房長官として支えていた菅氏が第99第内閣総理大臣に就任しましたので、菅政権に期待したいこと、逆に心配なこと、を書き留めてみたいと思います。

このブログを半年後、1年後に見返したとき、どう見えているかが楽しみです。

【期待1】庶民感覚

政治家になるのに最も重要な要素として挙げられるのが「3バン」、即ち「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」ですが、菅総理は何れももたないまま、議員秘書→地方議員→国会議員と上り詰めてきた、昨今では珍しい叩き上げの政治家です。

安倍前総理や麻生副総理に代表されるように、昨今の自民党にはサラブレッド世襲議員が目立ちますが、菅総理は(決して貧しくはない、寧ろ豊かだったようではありますが)秋田の農家に生まれ、政治家になるまでの苦労人生も、久々の「庶民派総理」として、我々一般庶民の感覚を持って政策を決めていけそうな期待感があります。

【期待2】調整能力

そんな叩き上げの苦労人が内閣総理大臣にまで上り詰めることが出来たのは、その卓越した調整能力にあるとも言われています。魑魅魍魎の闊歩する自民党や国会の中では単なる優秀さだけでは何も成し遂げられないことは、くしくも今回の総裁選で石破氏が3位に沈んだことが証明しているように思います。

調整というと悪い印象をお持ちの方もおられるかもしれませんが、内政・外交、何れも大きな物事を成し遂げるには、調整能力は不可欠です。菅総理には、是非ともその能力を発揮し、安倍政権が成し遂げられなかった成果を期待したいと思います。

【期待3】無派閥

今回の内閣の顔ぶれを見ると、すべての派閥に気配りをした様子が見て取れます。しかしこれは裏返せば、どの派閥からもコントロールされにくいと解釈できる可能性もあります。

菅総理自身が「無派閥」であるからこそ、今までのような派閥の論理から脱却し、真に為すべきことを成し遂げられ可能性があるのではないか、と期待します。

【不安1】後ろ盾

期待するところで無派閥で庶民派である点を挙げましたが、その裏返して、強固な後ろ盾がないとも言えます。日本社会は親分子分関係で物事が決まることが多い中、魑魅魍魎の党内や国会で物事を決めていくには力の論理も必要ですが、果たして菅総理が後ろ盾の無い中でどれだけリーダーシップを発揮できるかには、一抹の不安もあります。

また総裁選に立候補するに際しては、二階幹事長の後押しがあったとも言われています。自民党の影のドンである二階幹事長の単なる傀儡にとどまってしまう懸念も現時点では払拭できません。

【不安2】外交

長年安倍政権の官房長官、即ちスポークスマンを務めていたのでそれなりに知名度はあるでしょうが、地方からの叩き上げ議員であるが故に、外交的な実績はほぼゼロと言って良いでしょう。

安倍政権では比較的順調だった外交戦略を果たして菅総理が引き継いでいけるのか、注目したいと思います。

また国際外交ではビジュアルは重要ですが、大変失礼ながらも如何にもナンバー2、裏方役的な見た目の菅総理が国際社会でどう評価されるのか、若干はバックティーからのスタートになってしまうかもしれません。

【不安3】年齢

今回の総裁選立候補者の中では最高齢の菅総理、今時70歳を超えている程度では高齢者ではないという見方もあるかもしれませんが、超激務の総理職にどれだけ心身が耐えられるのか、心配ではあります。

見た目よりも体力はあるという前評判もあるので、是非とも頑張って頂きたいところです。

また高齢であるが故に短期のワンポイントで終わるのではないか、と見る向きもあります。結果で示すのみではありますが、そうした前評判がたってしまうこともまた、バックティーからのスタートであるかもしれません。

以上、私の見立てが果たしてどうでるか、将来このブログを見返すのが楽しみです。