ジャニーズ事務所が、元SMAPを起用するならジャニーズ事務所のタレントを出させないとTV局に圧力をかけていた、として公正取引委員会が注意したと報じられています。
これに対しジャニーズ事務所は、
「弊社がテレビ局に圧力などをかけた事実はなく、公正取引委員会からも独占禁止法違反行為があったとして行政処分や警告を受けたものでもありません。とはいえ、このような当局からの調査を受けたことは重く受け止め、今後は誤解を受けないように留意したいと思います。」
とのコメントを出してます。
このコメントをよく読むと「行政処分や警告」は否定しているものの、報じられている「注意」に触れていません。全否定するのであれば「そのような事実は一切ありません」とするのが通例ですから、「注意」を受けていたことは事実上認めていることになります。
ジャニーズ事務所に限らず芸能界では「足抜け」したタレントを使わないように元の事務所が圧力をかける行為が横行していると以前から言われており、元SMAPについても、あれだけ連日TVに出ていた彼らが突然に見かけなくなった「事実」から考えれば、ジャニーズ事務所からの「圧力」があったか、TV局側が「忖度」したか、の何れかであったことは間違いありません。
仮に後者であった場合も、そうした「忖度」をせざるを得ないジャニーズ事務所側の言動が必ずあった筈で、ジャニーズ事務所が完全に白とは到底言えないでしょう。
にも拘わらずこのジャニーズ事務所のコメントは、全くそうした芸能界の悪習を反省している節が無く、一般企業がこうしたコメントを出したならば間違いなく炎上するレベルです。
この「圧力」と「忖度」の構図は、モリカケ問題と非常によく似ています。
私は官邸が「圧力」を掛けたとは思っていません。然し、無言のプレッシャーから官僚が官邸の意向を「忖度」した結果として、官邸のお友達を優遇したのであれば、結果としては官邸も同罪だと思います。本来、官邸は「私のお友達だからと忖度してはならん」と諫めるべきです。
今回のジャニーズ事務所の件も同様で、ジャニーズ事務所側には本当にやましい点がないのであれば、寧ろ「元SMAPも積極的に使ってあげてください」というコメントを出すくらいで丁度良いでしょう。
今回のコメントは、寧ろ芸能界の闇を表してしまっていると思います。