定年の楽しみ方(3)

前回(2)の続きです。

合唱を初めて多くの楽しみが分かった一方で、合唱のデメリットも見えてくるようになりました。

一番の問題は「合唱」にならないこと。

ちょっと意味が分からないかもしれませんが、合唱とはその字の通り歌を合わせる行為です。

カラオケと致命的に違うのは、「自分が主役」ではなく「みんなが主役」であり、場合によっては「ソリストが主役」という点にあります。

合唱の肝は「ハーモニー」。大勢が声を合わせて「調和」させることで、全体としての美しい音楽を奏でることが出来ます。

然し。

合唱をやりたい=人前で歌いたい≠ハーモニーを奏でたい、という方が、どの合唱団にも必ずおられます。

一番多いのは、声の強弱コントロールの出来ない人。

そこは「p(ピアノ)」って書いてあるでしょ、という指示を無視して常に全力投球。若しくは他のパートとのバランスからもうちょっと抑えて歌うところ、これまた全力投球。結果として全体のバランスが悪くなってしまいます。

次に多いのは、ビブラートさん。

ビブラートというのは、演歌のこぶしのように声を軽く震わせて歌うことですが、ソリストでは有り得ても、合唱をビブラートで歌うことはまずありません。

然し、不思議なくらいにビブラートで合唱を歌う人というのも少なからず見受けられます。特にソプラノが多いですね。

そして「仕切り屋」も少なくありません。目立ちたい人、まとめ役になりたい人、が複数いると、纏まるものも纏まらなくなります。

あと、地味に困るのが本番しか来ない人。

合唱の定番曲だと「それ、歌える」とレッスンにほとんど参加せず本番にいきなり来て、今まで指導者が地道に積み上げてきた合唱のハーモニーをぶち壊します。

合唱は皆で音を合わせることが楽しい反面、故にこそハーモニーをブチ壊す人が必ずいるので、そこにストレスを感じてしまう。

これが合唱最大の「デメリット」で、短気な人はこれだけでイライラして、むしろストレスが溜まってしまうかもしれません。

次回は、船の免許を取った話を書きます。