北京五輪開幕式に覚えた違和感

様々な課題を抱えたまま開幕を迎えた北京五輪。

一つ目の課題はコロナ対策です。

東京五輪もコロナ拡大の真っ只中で開催されましたが、「バブル方式なので安全安心」との前宣伝とは裏腹に、あまりにも緩いバブルの入口により、選手や関係者が飲み歩く様子が報じられるなど、多くの問題行動が指摘されました。

北京五輪も同様にバブル方式を採用しましたが、日本とは異なり完全なバブル、期間中はバブルの内外移動は一才出来ないという徹底した対応により、少なくとも市民の安全は日本より確保されているように見えます。

懸念されていたバブルの中でのクラスターですが、今のところはバブル内感染もコントロールされているようです。

バブルの中は海外の報道陣もいる為、真実を隠すことは不可能ですから、報じられている現状は信頼出来るものと思います。

二つ目の課題は、国際社会との関係です。

足元で世界最大の注目はウクライナ問題。ロシアの軍事侵攻があるかどうか、ですが、その当事者たるロシア大統領が北京五輪開幕式に参加するため訪中し、中国首席と会談を行いました。

ロシアのウクライナ進行の可能性を支持する国家は殆どいない中、中国はロシアに前面賛成するのか、流石に軍事侵攻には反対するのか、難しい立場にあると思います。

そもそも素朴な疑問として、今回ロシアはドーピング問題で国家としては参加してませんが、国家として参加していない国の大統領を来賓に招くのは、五輪の政治利用だと国際社会からは捉えられても仕方無し、だと思われます。

そもそも冬の五輪の北京開催を認めたIOCの判断基準にも疑問が呈されています。

夏冬共に開催したのは北京が初ですが、これは当たり前で、夏と冬では開催に適する条件が全く異なるからです。

実際、北京には殆ど雪が降らない中、人工降雪機で作られた試合会場に対して、ESGの観点から如何なものかとの批判も出ています。

IOCが雪の降らない都市を開催に適合と判断したのは、IOCとしての金銭的なメリットを環境よりも優先した、と言われても止むを得ないものと思います。

さていよいよ開幕した北京五輪。

先ずは選手の皆さんの安全とご活躍をお祈りします。

みなし陽性者とは。

東京都を含む17都道府県において、2月2日から「みなし陽性者」の仕組みがスタートしました。

この制度は、感染者の濃厚接触者となった同居家族に発熱などの症状がある場合、検査を行うことなく医師の判断のみで感染者とみなす仕組みです。

この制度には多くの疑問があります。

濃厚接触者で風邪のような症状が出た場合、コロナ感染の可能性もありますが、単なる風邪や、この時期ですから花粉症の可能性すらあります。

果たして医者が症状だけで正しく判定出来るのかというと、そもそもオミクロンの症状は風邪に似ていると言われている中、風邪の人をオミクロン感染とする誤診を生むリスクがあります。

更に、オミクロンは無症状感染者も多いので、濃厚接触者で実は感染していても、症状が無いので感染していない人は見逃してしまうリスクもあります。

つまりこの制度では、感染者見逃したり、感染していない人を感染者にしてしまうという、致命的な欠陥があります。

加えて、今まで出してきた感染者数のデータの整合性が取れなくなります。

データ分析で重要なのは、その絶対値よりもトレンド分析であり、そのためには時系列が維持されていることが大前提です。

然しこの制度により、今後は今までのデータとの比較が出来なくなってしまいました。

こんないい加減な制度を導入するくらいであれば、いっそコロナを2類相当から引き下げるべきなのに、一体、日本国政府は何がしたいのでしょうか。

科学的な、合理的な政策を強く期待したいと思います。

春節(旧正月)を迎えて

中華圏では、このブログを書いている2022年2月1日は春節初日、新しい年の始まりです。

中国では春節に出身地へ帰るのが伝統ですが、今年は各地で散発的に新型コロナが発生していることから、帰省を自粛すること動きも見られます。

然しそれでも延べ数億人が中心内を移動すると言われています。

日本では未だに新型コロナ対策として「人流抑制」が叫ばれていますが、その科学的根拠は未だ明らかではありません。

流石の中国政府も春節の規制までは禁止出来ないこと、寧ろ都会から規制する人を排除しないようにと地方に指導を出していることから、今回の春節で生じた人流が、果たして新型コロナの拡散にどのような影響を及ぼすのか、注目すべきでしょう。

これだけの人が移動してなお、コロナの拡散が限定的ならば、日本政府や東京都知事、日本医師会がずっと主張してきた、コロナは人流が要因だという説明を否定する大きな要素になるものと思います。

日米地位協定の将来

オミクロン株の国内感染が驚くべき速度で急拡大しています。

海外からの入国検疫にばかりに注力している日本のコロナ水際対策は実効性に乏しい為、早晩ウィルスは入ってくるだろうと予想はしていたものの、ここまで突然且つ急速に広まったのは、間違いなく在日米軍基地由来でしょう。

世界でも類を見ない自国民の帰国すらストップさせようとした我が国ですが(流石に翌日撤回しましたが)、まさか足下の水際にこんな大穴が開いていたとは、笑うに笑えないジョークです。

在日米軍基地には日本のルールは適用されない為、成田や羽田で多くの空港検疫職員がどんなに頑張っていようとも、こんなに大きな穴が開いていたのでは、残念ながら多くの方の苦労は元々水泡に帰する状態だったということになります。

そもそも米軍基地を治外法権化させている日米地位協定とは何なのか、私もよく理解していませんでしたので、改めて調べてみました。

日米地位協定は、正式には、

「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」

というとても長い名前の協定です。

日米安保条約に基づき在日米軍の扱いを定めたもので、一番の特徴は、米軍基地のみならず、その軍属にも治外法権が認められているという点にあります。

日米地位協定第17条

「合衆国の軍法に服するすべての者に対して(第17条1-a)、また米軍基地内において(第17条1-b反対解釈)、合衆国の法令のすべての刑事及び懲戒の裁判権を日本国において行使する権利を有する。」

このルールがある為、今回のように日本政府が幾ら成田や羽田を厳しく水際規制しようとも、その効力は米軍人には及ばない状態となっています。

かつても沖縄で米軍人による事件が発生するとこの問題が議論されてきましたが、今回は沖縄県に留まらず日本国民全体に影響を及ぼしたという点において、恐らく初の事案なのだろうと思います。

早速にネット上では、不平等で片務的な協定など早期に解除すべきとの論説も少なからず見受けられます。

然し現時点で日米地位協定を廃棄もしくは抜本改定することは極めてハードルが高いものと思います。

その最大のネックの一つは憲法9条問題です。自衛隊は戦闘能力としては世界でも上位に位置すると言われていますが、それでも憲法の縛りの下では、その能力を発揮する場面は極めて限定的です。

今回のオミクロン株騒動をきっかけに日米地位協定の見直しが論じられるようになるのであれば、その先にあるのは改憲議論であろうし、そうでなくてはならない、と思います。

2022年大予測

2022年が始まりました。

コロナ禍から約2年、世界はオミクロン株により1日の感染者数が過去最多となる国が続出し、我が国でもいよいよオミクロン株の市中感染が増え始め、第6波に事実上入ったものと思われます。

今年がどんな年になるのか、最大のポイントは矢張りコロナとの戦いです。

欧米では感染者数が過去最多でも行動規制などは強化せず、完全にwithコロナに舵を切っています。

一方でその正反対に完全ゼロコロナを目指す中国では徹底した隔離政策やロックダウンで感染の押さえ込みを続けています。

そのどちらが正しいのかは歴史が決めることですが、我が国は相変わらず、withコロナでもゼロコロナでも無い、中途半端な状態で迷走しています。

我が国が経済的に立ち直りつつある欧米に置いていかれないようにすること為には、何処かで政治家がリスクを取って、withコロナにシフトチェンジするしかありません。

政治家がそのリスクを取らず、引き続きどっちつかずな政策を続ければ、我が国はズブズブと沈んでいく、そんな年になりそうです。

そして今年を占うもう一つの要素は国際情勢、特に米中露の三カ国の動きでしょう。

米国はバイデン政権に以降から徐々に支持率を落とし、トランプ派も相当数がまだまだ復活に向けて燻っています。

中国は秋の党大会で習近平政権の三期目が確定し盤石な基盤を続けるかが肝でしょう。

ロシアは軍事的な動きに出るかどうかがポイントです。

我が国は、こうした国際情勢の中で、今までのような、どちらにも付かない蝙蝠政策で果たして生き残って行けるのか、私は疑わしく思っています。

軍事的な危機が生じた際に我が国はどう行動するべきか、今のうちから国民的な議論を行った上で、政治家がリスクを取って決断し得るかが肝となると思われます。

今年は参院選もあり、与党は安全運転、世論迎合な運営をする可能性が高く、その結果、我が国は多くのものを失う年になるかもしれない、と懸念される年明けです。

不思議なニッポンの水際対策

日本国政府は世界でも稀なる外国人入国禁止令を年末以降も延長すると発表しました。

然し外国人を排除し日本人帰国者の受け入れだけにしたにも関わらず、水際の現場はパニック状態。成田から隔離のために福岡まで飛行機で移動させられたなどという、殆どコメディレベルの事態まで発生しています。

隔離措置を開始するのであれば、まずは施設を確保しておくべきなのに、このドタバタ感は、コロナ初期に政府チャーター便で帰国した人の隔離場所が確保されておらず、大慌てでホテル三日月に受け入れて貰った時から全く進歩していません。

そして肝心の水際も、陽性者との濃厚接触者に対する隔離は極めて穴だらけ。検査はどんなに厳格に行ってもすり抜けるケースはあるので、厳しい水際をやるなら濃厚接触者が万一感染していた場合に備えて潜伏期間である2週間は隔離が必要ですが、ここはほぼノーガードです。

欧米諸国では既にオミクロンに対する特別な規制は緩和・解除を始めている中、我が国はいつまでこの中途半端な水際対策を維持するつもりなのでしょう。

オミクロン株騒動に思うこと

新たな変異株であるオミクロン株が報告されてから、漸くwithコロナに向かって落ち着きつつあった世界が再び大騒動となっています。

この一連のオミクロン株騒動で感じたことが幾つかあります。

先ずは一点目は、本当にここまで大騒ぎする必要があるのか、という疑問です。

確かにコロナパンデミック初期には、その初動の遅れから多くの方が犠牲になりました。

然し今回のオミクロン株はその初期から決してバタバタと感染者が亡くなっている訳ではないこと、そして現時点では大半が無症状か軽症で済んでいることが報告され始めました。

毎年流行するインフルエンザもまた変異を続けており、今回のオミクロン株でこれだけ大騒ぎするのであれば、今後は毎年のインフルエンザでも大騒ぎするのだろうか、という疑問があります。

次に思うのは、その騒動の中でも突出した我が国の対応です。

先進諸国では、オミクロン株で感染予防策強化と言っても、マスク着用を復活させたり、入国前に検査陰性証明を求めたりと、日本では既にやっていることばかりです。

然し日本では、外国人の入国を原則禁止し、感染者が出た国からの入国者は漸く準備した施設に隔離、しかもその施設が足りずにわざわざ成田空港から中部空港近くの施設に運んで隔離したと言え意味不明な事態まで発生する状況です。

何故我が国だけこのような大騒ぎになるのか,大いに疑問です。

また、フライト搭乗前に検査陰性、帰国時も検査陰性の入国者と、未だパラパラとデルタ株感染者のある日本国内で検査などせず飲み歩いている人と、果たしてどちらが危ないのだろうかという素朴な疑問もあります。

我が国は羹に懲りて膾を吹く、になっているようにも感じられます。

小室事件の残したもの

秋篠宮家の長女が、式典を行うこともなくご結婚され、駆け落ちのように渡米されました。

この事件で改めて感じたのは、現代社会において皇族が存続し得る最も重要な要素は国民からの敬愛である、ということです。

秋篠宮家の長女が、お相手とそのご家族を巡るトラブルから皇族のご結婚相手に相応しくないのではないかと心配する国民の声を誹謗中傷とされてしまつたのは、皇室を敬愛する多くの国民の心に傷を残す結果となりました。

今回の事件で少なからぬ国民の心は皇室から離れてしまったのではないか、と大いに危惧されるところです。

また、折角に議論が最下位されようとしていた女性天皇・女系天皇の議論に対しても、女性皇族があのような方とご結婚され、そのお子様が皇位に就くことを想像すれば、女性天皇・女系天皇反対派を増やす結果になったのではとも感じられます。

然し一方で、ご成人された愛子様のお姿やお言葉に接し、これこそが国民の敬愛を受けるに相応しい方であると感じました。

国民の敬愛を受けるには相応の教育は不可欠です。愛子様もご幼少の頃にはご苦労もお有りだったようですが、それでも今上陛下のお子様として、それに相応しい教育を受けてこられたことがヒシヒシと伝わってきました。

翻って秋篠宮家では、そのような国民の敬愛を受けるに相応しい皇族たる教育がなされているのかという疑問も湧いてきました。

この結果を見るに、男系男子よりも、男女に関わらず直系で繋いでいくことこそ、現代国家の天皇制に相応しいのではないか、と感じるようになりました。

そのような意見の国民が増えていけば、災い転じて福となす、女性天皇・女系天皇を支持する国民が増えていくかもしれません。

そうなれば、小室事件もまた、皇室のあり方を国民が考える良い機会であったのかもしれません。

日本はもはや低所得国。

日本の所得水準は国際的に見てまだまだ高い、と思っている日本人は少なくないかもしれません。

然し全くそんなことはありません。

少し計算してみれば直ぐに判ります。

日本ではバブル崩壊以降、殆どベースアップがありませんが、先進国でも年率1〜3%、途上国では更に高い成長率を続けてきました。

仮に年率5%で成長している国の給与も同率で上がってきたとすれば、1×1.05が20年以上、結果は3倍程度になります。

これだけでも先進国最下位になるのは当たり前ですが、これに円安影響も加えれば、韓国や中国はもちろん、東南アジアの国々よりも安くなって当たり前です。

然し元々島国で他国との交流が少なく、コロナ鎖国を続けてきた日本に住む日本人はその実感を得難いため、危機感を覚えていません。

コロナが開けて海外旅行をしてみればその物価の高さに驚き、来日する外国人の金払いの良さをみては驚くことになるでしょう。

このまま日本は貧困国になっていって良いのか、私たち自身がよく考え、行動すべきだと思います。

眞子さまのご結婚について

国民の多くの賛同は得られないまま、眞子さまは小室氏とのご結婚に踏み切られることになりました。

ここまで固い御意志である以上、誰にもお止め出来ないでしょうから、願わくば民間人になられてからは、一市民として静かに目立たぬ慎ましやかな暮らしを小室氏と営まれることを願うばかりです。

然しながら、小室氏が皇族に連なる方になるからと、報じられているお母君の一連の疑惑、というよりも犯罪の疑義については、きちんとした解明を期待します。

きちんと調べた上で潔白を証明されれば問題ないのですが、皇族に関係する方だからと捜査や裁判が行われないようでは、我が国の民主主義の危機であろうと思います。

小室氏のお母上も潔白であれば正々堂々、捜査に協力し裁判の場にも出られるべき、それ以前にきちんと釈明をされるべきです。

そうしたけじめをつけることこそ、眞子さまと小室氏への国民からの批判を少しでも和らげることになるのでは無いでしょうか。

小室氏ご自身も、ご帰国前の態度やご帰国後の服装と言ったつまらないレベルで批判されることの無いよう、気遣いをすることこそ、お二人のご結婚への印象を良くすることになります。

たかが髪型や服装ですが、たかが、だからこそ、そのようなレベルで足を引っ張るマスコミに揚げ足を取られないような配慮をすることは重要です。

私自身はもはや祝福する感情は持ち得ませんが、少なくともこれ以上の悪評を賑わすことで、皇室を、皇族を、傷つけて欲しくない、そう心から願います。

コロナ専門家とは何なのか?

コロナ禍です行われていた各種制限がほぼ全面的に解除されます。

つい数ヶ月前までは、飲食店への時短営業や酒類自粛を強く要請していた中でも感染者は拡大を続けていたにも関わらず、今月に入って各種要請の段階的な緩和が行われているにも関わらず、感染者は減少を続けています。

即ちデータだけから見れば、飲食店への時短営業や酒類自粛要請と、感染拡大の間には顕著な相関関係は無かったことになります。

可能性としてはこの数ヶ月でワクチン接種が進んだ結果、実は感染しているけれども無症状の人が増えたので検査にも行かず、結果、感染者数が減った、のかもしれません。

そうだとするならば、もはや新型コロナは恐るべきウィルスではなく、今後は従来のインフルエンザ並の対策さえしっかり行っていけば、もはや過剰な自粛は不要では無いか、と思います。

然しコロナの専門家と呼ばれている方々は、減った原因の説明も出来ないのに、未だに危ない、気を抜くな、的なコメントに終始しています。

一体コロナ専門家というのは、どのような存在なのでしょう。

人々の不安を煽るだけの役割であれば、そんなものは不必要だと感じます。

皇室について考える (2)皇室存続

前回は女系天皇について私の意見を述べましたが、新しい令和の時代になりましたので、更に少し立ち返って、皇室存続について考えたいと思います。

新しく天皇陛下が御即位された事で、現行法上の皇位継承者は僅か3名、然し秋篠宮様は53歳と今上陛下と御年齢が近く、常陸宮様は83歳とご高齢でおられるので、現実的にはお一人しかおられないことになります。

古来より天皇は男系男子と主張される方も少なくないですが、その大前提にあったのは側室制度です。

最近では子宝に恵まれない夫婦も多く、恵まれても女児のみというご家庭も少なくありません。従って男系男子のみがお家を継ぐことにしてしまうと、相当比率の家庭は恐らく数代で断絶してしまうでしょう。

実際、歴史を紐解けば、正室のお子が御即位されたケースは半数程度であり、男系男子で継承するには側室制度が必須であることは明らかです。

然し、現代社会において皇室に側室を設けることは国民感情的に受け入れられないでしょうし、そもそも皇族の方々もそれを望まれないように思います。

従って、皇位を安定的に継承していく、且つ側室制度は復活しない、ならば、女性天皇を容認すること必須であり、長期安定を支えるには女系天皇も必須です。

日本の歴史上云々の前に、今のままでは遠からぬ日に皇位継承が出来なくなることは確実である以上、改めて女系天皇について議論されるべきと考えます。