二地域居住のススメ(1)

2015年、中国勤務から12年振りに日本に帰国し、そろそろ役職定年も見えてきたなと思った頃、定年後は地方移住をしてみたいと考えるようになりました。

然し実際に日本の地方を旅行してみて、地方が直面する現実に驚かされました。

東京から電車で2~3時間の、まだまだ「首都圏」といっても過言ではない場所ですら、街中に人気が殆どありません。中国は結構な田舎を訪れても街中は人、人、人でうんざりする位でしたが、日本の地方都市は駅前商店街ですら人通りは疎らで、シャッター通りとなっています。

日本が少子高齢化で急速に人口減少することは知識としては知っていましたが、現実に「人のいない町」の現実に直面し、このままでは日本はダメになってしまうのでは?という危機感を急速に覚えました。

その後、地方公務員の方や議員の方にお話を伺ったところ、例えば東京のすぐお隣の千葉県であっても殆どの市町村では急速に人口減少し、2050年頃には人口が今の半分になってしまう地方も少なくない、とのこと。

単に定年後に地方移住するというだけではなく、日本が直面するこの現状に、私も少しでも貢献出来ることはないだろうか?そう思うようになっていきました。

以降、今までは地方に単に「旅行」に行くだけだったのが、訪れた町の人口は今後どうなるのだろう、人や企業を惹きつけるものはあるだろうか、伝統や芸能はどうだろう、移住者は多いのかな、といったことも考えながら、地元の人との交流も積極的に行うようになっていきました。

そんなときに活用させて頂いたのが、東京/有楽町の交通会館にある「ふるさと回帰支援センター」です。

「ふるさと回帰」という名称ですが、Uターンのみならず、地方への移住を検討している人に、多くの地方都市の情報を提供してくれる他、定期的に移住に関するセミナーやイベントなども開催されています。

ときどきこちらを訪れては、いろいろな地方の方に、移住相談をしてみるようになりました。