羽田空港の事故を考える

事故当初、海保機長のミスを糾弾するようなトーンが多数見られましたが、私は当初から、この手の事故の原因を個人のミスに寄せてしまうのは誤りで、きちんと真因を追求すべきだと主張してきました。

事故から1ヵ月、海保機長が管制官の「ナンバーワン」を滑走路進入許可と勘違いした旨の報道が流れましたが、この段階では機長を糾弾するコメントはかなり減ってきたように思います。

ヒューマンエラーはどんなに慎重な人でも起こし得ます。それを見越して対策を組むのがリスク管理の基本です。

「ナンバーワン」という言い方について、そんなのはこの業界では常識だ、というご意見もありますが、それでも誤認が現実に起こっているのですから、今回のようにパイロット側が優先離陸させて貰えるという思い込みがあれば、勘違いする可能性はあり得た、ということです。

管制官が警告表示を見ていなかったのも、それが常態化していたのだとすると、個人のミスではありません。

もっとシステム的な対応は出来なかったのか?管制官の数は足りていたのか?それらが原因だとすると、システム対応や人の補充がなかったのは何故か?

そうした「なぜなぜ分析」を経て、抜本的な原因に対する対策が必要だと思います。

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