何故ニッポンの幸福度は低いのか。

国連関連団体が国際幸福デーである3月20日に毎年発表している「世界幸福度ランキング 」、日本は対象となっている156か国中58位と、またもや順位を下げてしまいました。

<過去の日本の順位推移>

2015年 46位
2016年 53位
2017年 51位
2018年 54位
2019年 58位

このランキングは、各国国民の「どれくらい幸せと感じているか」という調査に加え、GDP・平均余命・寛大さ・社会的支援・自由度・腐敗度等を元に判定を行っているものです。

データの客観性や公平性に対する疑問は無きにしも在らずですが、然し長年海外に暮らしてきた経験から、この順位には一定の納得感もあります。

日本に帰国して一番「息苦しい」と感じるのは、有形無形の「同調圧力」です。

身近なところでいうと、海外では、自分の感覚で厚ければ薄着、寒ければ厚着するので、季節的には真冬でも暖かい日ならTシャツ・短パンの人もいるし、真夏でも寒ければコートの人もいます。

然し、日本人は、真冬なら真冬らしい服装、真夏なら真夏らしい服装、であることを気にしてしまいます。

学校制服の夏服・冬服や、職場のクールビズなどはその典型で、〇月〇日から切り替えましょう、と一斉に対応している学校や会社も多いと思いますが、本来は自分の感覚で選択すればよいだけです。

この「同調圧力」が「サービス残業」などという本来は法律的にも心情的にもあり得ないことが常態化する根幹にもなっているように思います。

もう一つ気になるのは他者に対する「不寛容」です。

日本では電車やバスの中で携帯で話すのはマナー違反とされていますが、本来、携帯とは移動中にこそその威力を発揮するものです。

もちろん余りにも声が大きすぎるのは問題ですが、小声で話すことすら禁じられる雰囲気があるのは、やはり異常だと感じます。

日本は世界でも有数の治安度の高さであり、長期デフレのお陰(?)で物価も相当に安く、公共交通機関も発達している、とても暮らしやすい国です。

それでも「幸福度が低い」と感じてしまうのは、こうした「同調圧力」や「他者不寛容」によって個人の自由度が低いから、だと私は思っています。