2019年6月30日、日本は国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)を脱退しました。
IWCは「鯨資源の保存及び捕鯨産業の秩序ある発展」を目的として設立された国際機関でしたが、徐々に捕鯨自体に反対する「反捕鯨」を支持する加盟国が増えてきたことから、その機能に疑問が呈されるようになっていました。
IWC加盟国の捕鯨支持・反捕鯨を見てみると、非常に分り易く、欧州と欧州の働きかけを受けたアフリカ、アメリカとアメリカの働きかけを受けた南米は反捕鯨、それ以外の国は捕鯨支持、となっています。前者の大半はそもそも内陸国が多いこともあって捕鯨を行っておらず、捕鯨をする国としない国の対立、という構図が浮かび上がります。
問題なのは、捕鯨をしない反捕鯨国にとって、捕鯨は野蛮な行為で許せない、といった感情が先に立ってしまい、論理的な対話が殆ど難しい状態にあった点です。
一方で日本側も「捕鯨は我が国の伝統」という曖昧な理由を述べることが多いのですが、伝統であろうとなかろうと鯨資源が枯渇しているならば保護すべき、そうでなければ(若しくは増えすぎているならば)捕獲すべき、という論理で説明しなくてはなりません。
私は鯨肉が大好きで、捕鯨基地に近いところに行くと、魚屋やスーパーの鮮魚売り場で鯨肉を探しては食しています。
鯨肉は固くて臭くて不味い、という印象を持っている方も少なくない思いますが、捕鯨基地で水揚げされたばかりの新鮮な鯨肉は(種類にも拠りますが)臭みもなくジューシーです。
然し残念乍ら、鯨肉を食する機会が減ってしまった為、「捕鯨は日本の伝統」というには鯨肉好きの日本人は最早少数派となってしまっています。
また「調査捕鯨」は国が補助出来ましたが、商業捕鯨となれば原則は採算に乗せねばなりません。然し捕まえた鯨に対して鯨肉離れしたに日本人の消費量は追いつくのか、需要と供給に見合う価格で採算がとれるのか、疑問も残ります。
鯨肉好きの私としては、商業捕鯨をきちんと採算に乗せるとともに、鯨資源の科学的な保護を目指して欲しいと思いますが、それには如何に鮮度が良いおいしい鯨肉を流通させるか、消費者に鯨肉のおいしさを理解して貰うか、が肝心です。
国際機関を脱退するという思い切った決断までして再開した商業捕鯨、後世に失敗だったと言われぬよう、確りと鯨肉を食する文化を復活させていきましょう。