複雑怪奇な軽減税率

消費税引き上げまで1か月を切りましたが、未だに新税率対応レジが行き渡らない、キャッシュレス支払いのポイント還元制度も詳細が決まっていない、等、不安たっぷりな状況です。

その中でも最も不安なのが「軽減税率」。

シンプルに生活必需品を一律で税率軽減(据え置き)とすれば良かったものを、最早誰にも理解出来ない複雑怪奇な制度になっています。

その最たるものが店内利用10%と持ち帰り8%。

同じ牛丼チェーンでも、店内利用価格を引き下げることで税込み価格を店内と持ち帰りで同額にするところと、税抜き価格はそのままとして税率を乗せるところ、に対応が分かれています。

また、例えばコンビニで買い物をして、「これはイートインで食べるけど、これは持って帰ります」などと言われたら、分けて税率を掛けなければなりませんし、「持って帰るつもりだったけど、急遽思い直して店内で食べたい」というお客を断るのか、追加で税金を取るのか、といえば、何れも困難でしょう。

中小企業だと軽減税率が適用される制度も、これを機に意図的に減資して見た目だけ中小企業になった大企業、実質中小企業のフランチャイズと大手直営店が混在するコンビニ、等々、随所で混乱を極めています。

何故こんな複雑怪奇な制度にしてしまったのでしょうか。

単純に税の公平性というだけでは到底理解出来ないほどに複雑です。

最大の理由は、既得権益への配慮ではないか?と個人的には思っています。

その代表格が新聞。新聞は生活必需品ではありませんし、そもそも昨今新聞など取らずネットでニュースを見ている若者も増えている中、一体どういう理屈で新聞が軽減税率対象となるのかといえば、大手マスコミと政治の「持ちつ持たれつの関係」、という以外に理由が見当たりません。

一体、どうしてこんなアホな制度がまかり通ってしまったのか。

政府与党も財務省も税務局も、何を考えているのでしょう。

もう一ヶ月、ではなくまだ一ヶ月ある、と思って、直すべきところは今からでも考え直さないものかと思います。