民主主義は「勝ち取る」もの

落とし所が見えない香港の民主化デモ。

香港以外の国でも呼応して行われている香港民主派支援デモと、それに対抗して行われている中国政府指示派デモが時々ニュースになっていますが、何と日本でも中国派のデモが、小規模ですが発生したとのこと。

【JBPress】香港デモに対抗、大阪で国歌を歌う中国人集団の異様

(記事引用)8月23日夜、大阪の髙島屋難波店の前で、中国人の若者による数十人規模の集会が行われた。この集会を撮影した動画には、中国国歌を声高に歌う中国人の姿や巨大な五星紅旗が映し出されている。香港のデモに反対しているのだろう。「民主とは、秩序を破壊することではない」と書かれたプラカードも見える(引用終わり)

このデモに参加した数十名の中国の方がどのような バックグラウンドをお持ちなのか判りませんが、自らが大きな矛盾を抱えている事に気付いておられるのかどうか、疑問です。

中国では、当然ですがデモは(法的には兎も角)現実的には認められておらず、時々偶発的に発生しては治安当局が押さえつける、という事が各地で起こっています。

大阪でデモをされた中国の方々には、祖国では認められていないデモが日本では許されている、という環境下で、香港の民主化デモに反対するデモをする、という自己矛盾に正面から向き合って頂きたいと思います。

また、「民主とは、秩序を破壊することではない」とのプラカードもあったとの事ですが、ここでいう「秩序」とは「一国二制度を事実上認めない香港政府・警察」である以上、デモの目的それ自体が「秩序の破壊」にならざるを得ない、という事態の本質を正確に理解、把握すべきでしょう。

恐らくこのデモの参加者は「秩序を破壊」するかどうか以前に、香港における民主主義それ自体を認めないというお考えなのでしょうが、それを示す行為が民主主義国家の日本で行えるということ、それが如何に幸福であるか、は知って頂きたいと感じます。

そもそも人類が民主主義を勝ち取ってきた歴史を振り返れば、決して綺麗事ばかりではなく、寧ろ多くの流血の上に得られた権利です。当時の「秩序」を「血を流して」打倒して得られた人類の権利、それが民主主義です。

そうした人類の歴史を踏まえてもなお「民主とは、秩序を破壊することではない」と言えるのでしょうか。

私は日本で香港民主派、中国政府派、何がデモをする事にも反対しません。寧ろ、今わたし達日本人が如何に恵まれた民主主義国家に暮らしているか、を日本人に実感せしめる良い機会になると思っています。

今の香港のデモは、単なる香港の民主化という問題ではなく、人類が長い戦いの歴史の中で勝ち取ってきた「民主主義という価値観」と、「国家権力の統制によってこそ万民が幸せになる」という価値観が真正面から対立している、人類史上初の壮大な実験です。

さて、人類は何を選択することになり、その将来はどこへ向かっていくのでしょうか。