未曾有の被害をもたらした台風19号ですが、東京近郊に住む人にとって、都会の真ん中を流れる多摩川が氾濫したのは驚きでした。
今回の多摩川氾濫により、以前から筆者が指摘していたタワーマンションのリスクが明らかになったと思いますので、改めてタワマンに住むことの危険性について書きたいと思います。
(1)停電に弱い
今どき都会では停電など起こらないだろうという思い込みは、今年の台風15号、19号では単なる幻想であったことが思い知らされました。
万一停電となれば、タワマン高層階ではエレベータが使えず階段で上り下りすることとなり、現実的には居住不可能になります。
また高層建築であるが故に、上水道や下水道にも電力が必要な設計なマンションもあり、そうなれば低層階であっても居住出来ません。
(2)立地が悪い
タワーマンションと言えば豊洲や武蔵小杉など都心の駅近に建っていることも少なくありませんが、茲十数年でそれほど広い土地が確保出来たのは何故なのかといえば、必ずしも立地が良くなかった故に開発が遅れたから、最近埋め立てされたから、という場合もあります。
タワマンに限らず不動産購入時にはその土地の歴史を調べることが重要ですが、特にタワマンは、なぜ今になって大型建設が可能だったのか、はよく調べておく必要があるでしょう。
(3)過密人口になる
武蔵小杉で有名になりましたが、一棟数百戸×複数のタワマンが建設されれば、その駅周辺の人口が突然増加します。
その結果、生活インフラが不足する、過密になるのは自明の結果です。
(4)同一マンション内で格差が生まれる
税制が改正されるまではタワマンの高層階は購入価格対比課税価値が低かったことから節税対策として使用されていました。
その結果、高層階は富裕層、低層階は一般人、という、同じタワマンの中で身分格差が生まれ、その結果としてマンション全体のコンセンサスが通常のマンション以上に困難となります。
(5)地域住民との対立が生まれる
昔からその街に住んでいた住民からすれば、タワマンは迷惑施設に他なりません。また大半のタワマンでは地元の町内会などにも加わらず、結果として地元民とタワマン住民の対立が表面化した場所もあります。
(6)微振動が続く
あまり言われていせんが、耐震構造のタワマンは揺れることで地震に耐えるようになっているので、強風でも振動しています。微振動が続く建物に住み続けて人体にどういう影響があるのか、は未だに科学的な結論はありませんが、健康に全く影響がないとは言えないようにも思います。
(7)投資対象になりやすい
タワマンは外国人投資家も含めた投資家が投資対象にすることが少なくありません。その結果として、戸数に対して実際に住んでいる住民が少ない、価格が実勢と関係なく投機的に変動する、というリスクが発生し得ます。
(8)実は資産価値は高くない、かもしれない
タワマンは購入時は高額なことが少なくありませんが、東京五輪以降も多くのタワマンが竣工し、一方で人口減少が進む中、需給関係は確実に悪化します。
また前述の諸々の要因から、経年による資産価値の下落は通常の不動産よりも早い可能性が有り得ます。
こうした事情を考えてもなお、貴方はタワマンに住みたいですか?