日増しに高まるコロナウィルス感染。
こんな時は、リスクを正しく認識し可能な対処方法を適切に行うことが重要です。
然しこんな時だからこそ、人間は不正確な情報に容易に踊らさせてしまいがちです。
先日はスーパーから突然トイレットペーパーやティッシュペーパーが姿を消しました。発端は「マスクと同じ材料なので枯渇する」「中国産で輸入出来なくなる」と言った噂でした。
少し立ち止まって冷静に考えれば、マスクとトイレットペーパーが同じ素材には見えないですし、トイレットペーパーも大半が国産であることは誰にでも分かります。
ところがその程度の確認すらしないで、噂を聞いて直ぐに買い溜めに走ってしまう人がこれだけ多数出てしまいました。
アメリカでインフルエンザが猛威を振るい、既に1万人以上が亡くなって大変なことになっている、という話も、1万人以上が亡くなっているのは事実ですが、毎年そのくらいかそれ以上が亡くなっているので、正しい理解は例年並みにインフルエンザで死者が出ている、です。
事実を正しく理解出来なければ、正しい判断も対応も出来ません。
昨日、某イベントを開催するかどうかの会議でも、幾つか驚きの発言を耳にしました。
「公共交通機関で来場する人は参加不可、自家用車で来場した人のみ参加可とすべき」
→ 通勤ラッシュの公共交通機関がハイリスクなのは否定しませんが、そのイベントに来る手段だけを切り取っても殆ど意味はありません
「満員電車になっている人がいるのだから、イベントを中止にする必要はない」
→ 全く次元の異なる事象を比較しても仕方ありません。そもそも満員電車に責任を取る主催者は居ませんが、イベントは何かあれば責任を追求される人がいます。
「毎年交通事故で多数亡くなっているのだから、それよりも今回のウィルスで死ぬ確率は低いので、大したことはない」
→これも全く次元の異なる話を比較しています。夫々のリスクに夫々対応するのみです。
客観的なデータに基づく正しい分析と理解、それに基づく正しい判断と行動、を一人一人が意識して行うことが求められていると思います。