ニューノーマルに向けて、いま私たちが準備しておくべきこと

このブログも200本目となりました。

新型コロナウィルスによって社会や生活スタイルが大きく変化したことが「ニューノーマル」と呼ばれていますが、今回はコロナ後のニューノーマルに向けて私たちが準備しておくべきことについて書いてみることにします。

(1)不動産

他国比でも急速な人口減少が進む日本では、地方から都市への人口集中が進み、人口減少地では生活インフラの維持が徐々に困難となる中、地方不動産は下落し都市部の駅近物件のみが値上がりする、少なくとも下落はしない、と言われてきました。

然し今回のウィルスで、人口集中する都市部に居住することのリスクが改めて認識されたことに加え、リモートワークが進んだことでホワイトカラーの多くの人は必ずしも職場の近くに住む必要が無い、ということが判ってきました。

こうなると今までとは全く逆に、都市部から地方に住居を移そうという動きが顕在化していく筈です。

また企業も出社する人数が削減出来れば都市部のオフィススペースを削減出来ます。コストカットにも繋がり、都市部のオフィス売却や賃貸解約も進んでいくでしょう。

従って、都市部に投資不動産を持っている人は処分のタイミングを考えるべきですし、地方に移住を検討している人は値上がり前に購入した方が良いことになります。

(2)金融

以前より旧来型の駅前一等地にある銀行・証券・保険業界の店舗は何れ不要になると言われていましたが、今回の感染リスク防止を目的に、各金融機関ともに店頭からネットへと顧客誘導を始めました。

こうなると、消費者にとっての金融機関の評価は一変することになります。

今までは店頭で丁寧なサービスを提供することが大手金融機関にとっての強みでしたが、今後は寧ろネット上のサービスが充実しているかどうかが金融機関を選択する上での重要なポイントとなってきます。

このブログを書いている2020年5月現在、大手銀行の預金金利はほぼゼロですが、ネット系銀行では0.1~0.3%程度が当たり前になっていますが、それでも預金が大手からネット系に流れなかったのは、大手の預金者はネット系を信用していなかった、慣れていなかったから、に過ぎません。

大手の預金者もネット取引を始めれば、何れ低金利の大手に預金することに疑問を感じ、預金の大移動が起こるかもしれません。

そんな時代に備えて、今のうちに多くのネット系金融機関に口座を開いておき、常に有利な条件のところを探して頻繁に取引を移動させるのが、これからの賢い金融機関との付き合い方になるでしょう。

(3)飲食

従来は居酒屋やレストランで飲食していた人も今はステイホーム、その結果、Zoomなどのネットツールを利用したオンライン飲み会が当たり前になりつつあります。

オンライン飲み会最大のメリットはコストが安いこと。全く同じお酒を飲むのでも、家で飲めば居酒屋やレストランの半額かそれ以下です。また「家に帰る」ということを気にせず飲めるのもメリットでしょう。

居酒屋やレストランでお酒を飲んだり食事をしたりすることの楽しみ勿論ありますが、コロナが落ち着いても飲食店には今までのようには顧客は戻ってこないでしょう。

今現在飲食店を経営されている方は、経営スタイルを変えるか早期の廃業も視野にいれる必要があるでしょうし、もともと成功率は低いとは言われていましたが脱サラして飲食店の経営を考えていた方も、今一度慎重に考え直すことが求められるでしょう。

(4)インバウンド・ビジネス

人口減少が進む中、新たな消費者としてインバウンド、即ち訪日外国人に期待する施策が多く行われてきました。またそれが奏功し、外国人観光客は一部で「公害」とまで言われるほどに急増していました。

しかしこのコロナ感染は喩え日本国内では落ち着いても世界中で終息しない限り、従来のように外国からの観光客が続々と訪日する日は戻ってこないでしょう。

それには相当な日数が必要と思われますので、インバウンドに期待していた業界も改めて国内需要を掘り起こす方向に戦略を戻す必要が出てきます。

一時はインバウンド目的で社会問題にまでなった民泊も、外国人ではない顧客が果たしてどのくらい利用するのか、といった点も考慮に、早期撤退を決断した方がよいケースも多々あるでしょう。

(5)娯楽

今回の外出自粛時期に、各自が家で過ごすときの楽しみ方を見出しつつあります。今までは家で遊ぶといえば思いつくのはゲームをするくらいだったかと思います。

然し自宅にいてもネットを使って一緒に音楽を楽しんだり家で写真を撮ったりと、今までは外に出かけてしか出来ないと思っていたことが、実は自宅でも楽しめるのだと判ってきました。

一方で営業を自粛しない業態として一躍注目が集まったことで、実質は違法なギャンブルが見過ごされてきたことの問題点も炙り出されました。おそらく今回のパチンコ議論は、IR(統合型リゾート)の開発にも影響を与えるものと思います。

パチンコ依存症の方やそのご家族は、パチンコというギャンブルが無くなった場合に備え、新たな趣味やストレス発散先、そして人によっては収入を得る手段を確保しておいた方が良いかもしれません。

とりあえず現時点で想定されるニューノーマルに向けて準備が必要な事項を書いてみましたが、恐らくもっと多くの変化を私たちは受けれていかなければならないでしょう。

新しい生活様式にいち早く適応し、そのメリットを享受するためにも、賢く準備をしていきたいと思います。