前回、東京大学入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞に関してコメントを書きましたが、今回は自分の経験に照らした話を書きたいと思います。
私は以前、東京/大手町のオフィスに通勤していました。
大手町駅は、JRのみならず東京メトロや都営地下鉄も多数乗り入れている巨大駅で、朝の通勤ラッシュ時間ともなれば膨大な人の流れが行き交います。
毎日そうした人の流れの中に入り、人々を見ていて感じるのは日本人の自分勝手さ。
日本では、鉄道の混雑に絡めば他人を押しのけても、場合によってはぶつかったり突き飛ばしたりしても構わないという暗黙のルールがあるかのように、人々は押し合いへしあいしながら前へ前へと進みます。
その中に、明らかにお身体が不自由そうな人や、腰の曲がったお年寄りが混ざっていたとしても一向に気にする様子はありません。
ベビーカーや大きな旅行荷物持った人などには「お前、なんでこんな時間に電車乗ってんだ」と言わんばかりの態度です。
この状況の一体どこが「オモテナシの国」なのでしょうか。
他人を押しのけることしか頭にないかのような人の波を毎日眺めていて、つくづく日本は弱者に冷たい国だ、そう感じています。