東京大学入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞が話題になっています。
如何に一部を抜粋します。
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あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
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長年の海外生活から日本に帰ってきて思ったのは、日本人は「他人に優しくない」という点です。
文革の影響もあり、他者を押しのけてでも自分の利益を追い求めているように見える中国ですら、子供やお年寄りには明らかに日本より寛容です。
どうも今の日本人の根底には「自己責任論」が染みついているように思います。貧乏なのも体が弱いのもすべては努力をしなかった自己責任。
何故日本はこんな冷たい国になってしまったのか。
最大の理由は教育にあると思っています。
例えばボランティア活動をする人は日本ではまだまだ少数ですが、他国ではもっと幅広くボランティア活動が普及しています。教育の中でボランティアの重要性が語られ、実践が進められているからです。
何十年も前の話しで申し訳ありませんが、親類がアメリカの大学を受験する際、「ボランティア歴」を申告することになっていたのに驚いた記憶があります。
上野名誉教授の仰る通り、日本は恐らく主要国の中でも「冷たさ」では相当上位にあると私も感じています。
これから少子高齢化社会が加速する中、日本人同士が支えあい、助け合うようにならないと、どんどん住みにくい国になっていってしまうことを大いに懸念します。