森田健作千葉県知事に問う。

千葉県に未曾有の被害をもたらした台風15号。筆者も被災地の一つである千葉県館山市を訪れ、微力ながらも数日間、瓦礫撤去活動に携わらせて頂きましたが、被災地ではマスコミ報道を遥かに上回る規模の被害が出ていました。

被災から2週間経っても未だ飛んでしまった屋根瓦・トタンの回収や、雨に濡れた家財の搬出すら終わっておらず、復興までの道程が非常に長く険しいことを実感しました。

今回は台風は当初から多くの予報が「コンパクト台風」と言っていたこともあり事前の備えが甘かったこと、東京電力の被害見積もりも大幅に甘かったこと、そうした状況下で暢気なことに内閣改造が行われた為、被災地のニュースが置き去りになってしまったこと、等の多くの「人災」も重なったとこが被害を大きくしました。

その中でも最大級の「人災」は、「森田健作千葉県知事の無策」です。

電気が通じずマスコミ報道も後手に回っていた中、地元千葉県が真っ先にやらなければならなかったのは、実際に職員を各被災地に派遣し、その目で被災状況を把握することだった筈です。千葉県の災害マニュアルでも「応援要請が困難な市町村には迅速に県職員を派遣する」と定めているにも関わらず、実際に千葉県が職員派遣を指示したのは台風が通過してから3日も経った12日午後5時半でした。

森田健作知事は12日の定例記者会見で「大きな反省材料だ」と述べましたが、事後に反省するだけならば猿でも出来ます。

その森田知事本人が実際に被災地を訪れたのは被災から5日後の14日、南房総市でした。次に視察したのは最も被害の大きかった地区の一つである鋸南町でしたが、なんと訪れたのは被災から二週間近くが経過した21日。

余りにも遅すぎる対応です。然も、鋸南町視察時のコメントが「情報でこうだろうと思っていたが、実際に見るとこれはひどいなと思った」。他人事のような発言に唖然としました。

トップたる知事が、被災地実情をもっと早く把握していれば、これ程多くの初動の遅れは起こらなかった筈。その責任を微塵も感じさせない無責任なコメントです。

千葉県には災害用に備蓄する非常用発電機があったにも関わらず、被災してから10日以上経っても半数以上が活用されていませんでした。

市町村から要請があれば貸し出すが2市町村からしか要請がなかった、というのが県の説明でしたが、大半の市町村が停電で通信手段すら無い状況だからこそ発電機が必要な訳で、だからこそ本来は県の職員を早期に被災地に派遣し、実情把握に努めるべきだったのです。

諸々問題の多かった森田知事の言動ですが、その中でも恐らく最も千葉県民の怒りを最も買ったであろう発言は以下。

「自然との闘いでございます。全部想定通りにはいかない。自然とは予測がつかないんです」

確かにそうでしょう。

然し具体的に対策を打ち出す首長がこれを言ったらお終いです。自然との闘いは予測がつかない、だからこそ出来ることは全てやり、予測出来ることは全て予測して、全力で災害に当たろう!そう「檄」を飛ばすのがこういう時のリーダーの務めではないでしょうか。

大変失礼乍ら、森田知事が3期もの長期に亘った任期中、どのような成果を上げられたのか詳しくは存じ上げませんが、例え日頃は大した実績を上げずとも、こんな時こそ「タレント知事」の知名度を活用して千葉県の惨状を発信する役目を県民は期待していた筈です。

その知事が、県職員も派遣しない、自分も視察に行かない、結果、実情を把握せず「自然災害ですから」では、呆れて開いた口も塞がりません。

敢えて言います。

こんなものいらない、森田知事。

この人が知事のままだと、次の大規模災害で千葉県は滅んでしまうかもしれません。