自民党の塚田国土交通副大臣が、安倍総理に忖度したと発言して問題になっています。
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<記事引用(2019年4月3日付朝日新聞デジタル)>
「忖度」発言の塚田副大臣、政府や自民にも更迭論
本州と九州を新たに結ぶ道路事業の調査で、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の意向を「忖度した」と発言し、撤回した自民党麻生派の塚田一郎国土交通副大臣(55)は3日、国会答弁で「我を忘れて事実と異なる発言をした。行政の信頼性をゆがめた」と陳謝した。菅義偉官房長官は塚田氏を厳重注意し、安倍首相は塚田氏の続投を明言したが、政府自民党内にも更迭を求める声が出ている。
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サラリーマンも「忖度」は非常に重要で、「出来る部下」とされる人は、上司から指示が来る前に、上司の方針や意向を汲んで先回りして動くことが出来ます。
組織は上役の方針に従って動くべき、という観点から言えば、うまい忖度が出来る人が欠如した組織はスムーズに動くことは出来ないでしょう。
従って「忖度」それ自体が悪いとは思いません。
然し、行き過ぎた「忖度」は害悪にしかなりません。
明らかに上役の方針が間違っていた場合であっても、部下が「忖度」しかせず誤りを指摘出来なければ、組織は誤った方向に進むことになります。最悪の場合、不正行為や違法行為にも繋がりかねません。
「モリカケ」問題では、私は安倍総理が直接指示したとは全く思いませんが、安倍総理を忖度する取り巻きや官僚が、安倍総理に忖度して、総理が気に入る結果を求めたために起こったのではないか、と考えています。
また上司の方針を忖度した「虎の威を借る狐」のような部下も問題です。
よくあるのは「そんなことをしたら〇〇上司の意に沿わないよ」「〇〇上司に気に入られるなら××した方がいいよ」と、実際には上司がどう考えているかどうかに関係なく、自分のやりたいことを通す為に上司への忖度を利用する行為です。
こんな部下ばかりだと、上司の方針が正しく組織に反映されず、やはり組織は迷走します。江戸時代の悪老中や、古代中国の悪宦官などは、こうしたケースの典型ですが、現在でも多くの組織にはこうした輩が潜んでいるでしょう。
「忖度」には、良い忖度と悪い忖度がある、ことを理解した上で、批判すべきとそうでないことを見分ける必要があると感じます。
もちろん、今回の塚田副大臣の「忖度」は、発言通りであれば大問題です。