内容が過激過ぎるとの理由で東京圏では何故か放映されていない読売テレビ日曜午後の番組「そこまで言って委員会」。最近は嬉しいことに読売テレビのネット配信で全国で見られるようになりました。
内容が保守に偏っているとの批判も多い同番組ですが、人数的には兎も角、常に反対意見のパネリストも登壇しており、現委員長(司会者)の辛坊次郎氏のバランス感覚ある進行もあって、私は日本有数の良番組だと思っています。
そんな番組で取り上げられたテーマの中から、特に気になった点についてコメントしていきたいと思います。
9月22日(日)は「ゆりかごから墓場まで」と題し、社会福祉制度のあり方に関する議論でした。
私が気になったのは、最初のテーマである少子化対策。
女性パネリストは、如何にしても女性が働きながらキャリアを捨てずに出産や育児を行えるようにするか、という発想で、保育の義務化、シングルマザー支援、未婚出産の社会的容認、と言った意見を述べられていました。
ほぼ全てのご意見に私は全面的に同感です。政治は早くこうした「女性のキャリアと出産・育児の両立」を支援する具体的な政策を打ち出すべきです。
一方、大半の男性パネリストから出た意見は、子育て世代への金銭支援。勿論それはそれで重要なのですが、発言の端々に見え隠れするのが、女性蔑視の感覚です。
竹田恒泰氏の仰る「外で働く女性も専業主婦も労働として同等」の発想は理解しなくも無いですし、ある意味ではその通りな側面があることは否定しません。現実論として、働かずに専業主婦をしたい、という選択肢はあるべきだし、専業主婦の労働は尊敬に値するものです。
然し、専業主婦を容認する考えと、働きたいがキャリアを捨てなければ出産と子育てが出来ないとする議論は全くの別物です。専業主婦は尊敬するけれども、働き続けたい女性が、キャリアを犠牲にせず働けるようにすることは両立し得ます。
にも関わらず、どうも男性陣の本音の奥底には、「でもやっぱり理想は専業主婦と働く旦那さんの家庭だよね」と思っているであろう部分が見え隠れしていました。
育メン&不倫で世間を騒がせた宮崎元国会議員は「女性活躍の見直し」を主張、出産には適齢期があるので、そうしたら適齢期の女性まで働かせるのは、という考えでしたが、これには全く同調出来ません。
宮崎氏は、女性の社会進出は推進すべきだ、と言いつつもこの発想なのは、つまり、出産適齢期の女性がキャリアを捨てずに働きながら出産と育児が出来る社会には簡単には出来ない、だからその妥協案として、ということなのだと思います。
然し本来はそれこそが国会議員のやるべき仕事であり、今すぐは難しいから、結婚適齢期の女性活躍は一旦取り下げよう、という発想は論外だと私は思います。こんな人が今、議員ではなくて良かったです。
宮崎氏の奥様の金子元議員が、国会議員の男性の理解の無さを述べていましたが、全くその通りだと思います。
結局、女性活躍の為には法律を変えていかなければならないにも関わらず、国会議員の圧倒的多数を占める男性議員の少なからぬ人たちは「女は家にいろ」と本音では思っている為、真に必要な改革が進んでいないと感じています。
今回は久々に(初めて?)、女性の地位向上を一貫して主張されていた田嶋陽子女史に全面的賛成でした。
十数年に亘る海外生活から日本戻ってきて驚いたことの一つが日本における女性の地位の低さ。ここから変えていくことが、少子高齢化の抜本的対策だと思います。