総理が主催する「桜を見る会」の来年度開催が急遽中止となりました。
「桜を見る会」とは、1952年(昭和27年)に始まった総理大臣が主催する公的行事で、毎年ヤエザクラが見頃となる4月中旬頃に新宿御苑で開催されていました。
その開催目的は、
「各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労するため」
とされており、皇族、各国大使、国会議員、都道府県知事等の他、各界を代表する方々が招待を受けている、ことになっていました。
然し、総理や与党の支援者が多数招かれていたという、言わば税金を投じている公的行事の私物化の典型例のような実態が明らかになりました。
これだけでも実質的に税金で票を買うような民主主義の大問題を揺るがす大問題ですが、その後の政府・与党の対応があまりにもイケていません。
実際には誰が招待されていたのかとの質問に対し、大塚官房長は「保存期間1年未満の文書と位置づけており、会の終了後、速やかに廃棄している。」と説明しましたが、前例踏襲主義の我が国でそんなことがある訳がありません。
今年の招待客リストを作る際には、絶対に昨年のリストも手元にある筈です。仮に総理他から「〇〇さんって去年招してた?」と問われて、日本の事務方が「資料は廃棄したので判りません」などと答えるなどあり得ないでしょう。
普通に考えて、公開すれば後ろめたいこと、即ち、本来の定義に反して総理や与党の支援者といった、政治家が個人的な恩義のある招待者が多数含まれていたことが明らかになってしまうから、に他ならないでしょう。
そしてなんと、高まる追求の声に安倍総理は突然、来年の開催を取り止めると発表しました。
これこそ、後ろめたいことがあった何よりの証拠です。
政治家は国民の代表者であり、透明性や説明責任が求められるポジションです。
本来あるべきは、リストとその選定過程を公表する、その上で問題ある点を明らかにして修正を提起する、という行動です。
総理大臣が短命で年変わりしていた頃に比べれば、長期安定の安倍政権は決して悪くはないとも思ってきましたが、モリカケ問題あたりから長期政権が故の腐敗や傲慢さが見えてくるようになってきました。
後世になって、歴代最長の安倍総理は、然し権力は長期化すると腐敗する典型だった、などと揶揄されることのないよう、今からでもしっかりと説明責任を果たして頂きたい、そう強く願います。
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