こんなものいらない、東京オリンピック(5)

このタイトルで記事を書くのも5回目、どんだけ要らないんだ東京オリンピックは、という感じですが、今回のテーマはマラソンと競歩の札幌開催案についてです。

10月16日、国際オリンピック委員会(IOC)は突然マラソンと競歩の会場を札幌に移すことを計画している」と発表、翌17日にはトーマス・バッハ会長自らオリンピック委員会に於いて「札幌に移すことを決めた」と明言しました。

然し事前に相談もなく一方的に決められた東京都は猛反発し、この記事を書いている10月31日時点でも尚、小池都知事は東京開催を強く主張し続けるという、開催まであと僅か9ヶ月の中で超異常事態に陥っています。

過去の記事にも書きましたが、そもそも真夏と東京でオリンピックを開催するという時点でアスリートファーストもへったくれもありませんでした。

アスリートファーストでは無いことは重々承知の上で、それでもIOCはビッグ・スポンサーの意向を汲んで真夏に開催することを優先し、日本オリンピック委員会や国・都関係者もそれを承知した上で誘致活動を続けたのです。

従って関係者全員には、「真夏のマラソンが危ないって、そんなの最初から判ってたろ?判ってて東京でやるって決めたんだろ?今更に開催地変更って、お前ら脳味噌付いてんのか?」と言いたいですね。

しかも札幌開催を決定した理由が笑えます。

中東ドーハで9月下旬〜10月上旬に開催された陸上世界選手権で、マラソンと競歩を夜中としたにも関わらず棄権者が数多く出た事にバッハ会長が衝撃を受けたから、だそうです。

喩え衝撃を受けたとしても、先ずは東京とドーハの違いをデータを以って客観的に分析し、改めてリスクを洗い出した上で関係機関と協議し、開催地と話し合う、というのが普通の組織運営です。

会長がショックを受けたから変えます!って、一体何処のブラック企業かよ?と思っちゃいます。

そもそも、夏の東京が暑いなんて子供でも知っている当たり前のことは当然に踏まえていたこそ、かなり前からサマータイムを導入するとか色々な議論がなされて来た訳で、そんな事をお構いなしに「ドーハでビックリしちゃって」で変更を勝手に決めるとは、幼稚園児並の思考力です。いや失礼、幼稚園児ですらもっとちゃんと考えるでしょう。

しかもそれを伝えに来た調整委員長のジョン・コーツIOC副会長が「決定事項」と東京都の抗議を突っぱねました。まだ機関決定されていない筈なのに、何故そんな事が言えたのでしょう。

今回のドタバタで露見したのは、IOCという組織には健全なガバナンスが全く効いていない、という点です。

会長が見たことだけを以って結論を突然ひっくり返す、機関決定されていないのに副会長が決定事項だと明言する、こんなガバナンスが崩壊している組織がやっている大会なんて開催する意味があるのでしょうか?

5回目ですが、まだ言います。

こんなものいらない、東京オリンピック。