箱根駅伝に自粛要請の限界を見た。

関東のお正月の風物詩、箱根駅伝。例年はコース沿道を多くの観客が埋め尽くしていましたが、今年は新型コロナウィルス感染防止の観点から沿道での応援自粛が呼び掛けられていました。

然し蓋を開けてみれば、一般人の入場が制限されていない沿道では応援の人だかりがテレビ画面に映し出されていました。

例年よりは圧倒的に沿道の人出は少ないとのことではありつつも、有名な沿道応援スポットの様子を画面で見る限り、相当に密な状態になっていました。

例年であれば沿道やゴールで声援を送っている、出場大学で選手に選ばれなかった部員たちですら、テレビ画面越しでの応援となっているにも関わらず、です。

結局、自粛は所詮自粛。

自らをコントロール出来ず欲求に任せて沿道に行ってしまう人がこんなに居る様子を見るに、矢張り単なる自粛要請には限界があるのだと感じます。

箱根駅伝を見ていてより気になったのは、往路よりも復路の方が沿道に人が多そうに見えたこと。正確なデータを持っている訳ではありませんが、推測ながらも往路で沿道応援している人がいる、然も例年より人出が少なそう、と見て復路は沿道に出る人が増えてしまってのでは、とも思います。

実はここに自粛要請の最大の問題があります。

真面目に要請に応えて自粛をした人よりも、守らず沿道に出てしまった人の方が、例年よりも空いている沿道で見物出来た、という点です。

これは自粛要請時の飲食店にも当て嵌ります。真面目に自粛要請に応えて時短や閉店したお店が多かった結果、要請に応えず営業していたお店に客が集中し、却って普段より儲かったお店もあったやに聞いています。

応じた側は報われず、応じなかった側がメリットを得る、これが単純な自粛要請の大きな問題点です。

政府も漸く重い腰を上げて法改正に動くようですが、いつまでも自粛要請では寧ろ不公平を助長することに、早く政府は気付くべきだったと思います。