またもや自分の話で恐縮です。
以前、某県主催の地方移住ツアーに参加したのですが、その際、恥ずかしながら漁師には簡単になれない、ということを初めて知りました。
都会から地方に移住する若者の中には、海が好きで漁師になりたい、という人もいるそうなのですが、そういう若者が海辺に家を借り、道具をそろえたところで漁師にはなれません。
それは「漁業権」というものが必要だからです。
漁業権は各地道府県知事が漁業組合に対して出すものなので、漁業を始めたい人は、まずは希望する場所の漁業権を有する漁業組合に入らなくてはなりません。
ところがこれがどうも簡単ではないそうです。
漁師さんの数は減っていると聞いていたので、若い人が漁業がやりたいと言ってくればウェルカムだろうと思っていたのですが、少なくとも私が参加した某県では、
・最低何年かは住んで本気で漁業をやる気があることを立証しなければならない
・それには賃貸アパートなどに住んでいてはダメで、地元に家を買うべし
ということを求めているそうです。
しかし漁業をやったこともなく、出来るかどうかわからない若者に、家を買って何年も我慢しろ、というのは、あまりにもハードルが高すぎると思います。
漁師さんが減っているのですから、若い人には「やってみなはれ」で良いのではないでしょうか?
「ここが変だよ、日本の農業」でも書きましたが、日本には「農林水産業を守る」為の規制が非常に多すぎます。以前はそうしないとどんどん工業化・商業化して、日本の一次産業が衰退してまうことを懸念して規制が必要だったのでしょうが、どんどん人口が減少し地方が過疎化する現代では、まったく逆に規制を緩めて、やってみたい人には気軽にトライしてもらう環境づくりが必要だと強く感じます。