日本では「非正規雇用」が増えていると問題になっていますが、そもそも雇用を「正規」と「非正規」に分けているのがニッポン的労働慣行の問題点です。
日本式の「正規雇用」の概念は、日本式の「終身雇用」が大前提になっています。然し本来、労働とは労働者が労働を提供し、雇用者がその対価として賃金を支払うという単なる「契約関係」に過ぎません。「契約関係」ですから相互に嫌になれば打ち切るのは当然であり、打ち切れるように契約には期限を切るのもまた当然です。
然しながら日本では定年(含む定年後再雇用)まで雇用することが企業に求められており、過去の判例上、一度採用した正規雇用労働者を解雇するのが非常に難しい、社会主義以上に社会主義的な状況になっています。
その結果、企業経営者は不況時のコスト調整弁として、「正規雇用」を減らし、「非正規雇用」を増やそうとするのは、経済合理性から言って当然の行動ということになります。
従って、増加する「非正規雇用」問題を解決する為に最初にやらないとならないのは、実は「正規雇用」を終身から時限付契約に変更すること、です。
然し大半の企業では労働組合は正規雇用されている従業員で構成されている為、正規雇用労働者の契約条件を悪化させることには労働組合が賛同しない、結果として労働組合を支持基盤とする政党(立憲民主党や共産党など)も、こうした改革は提案出来ないので、改革が全く先に進まない、という構図になっています。
約10年前、中国において「労働契約法」が施行され、従来は固定期間で日本でいう「雇止め」が出来たのが、今後は2回固定期間契約を更新すると無期契約(法定の定年までの実質終身雇用契約)になるということで、多くの現地に進出する日系企業でも経営課題となりました。
が、少し考えれば、日本の企業がこれに驚くのは奇妙な話です。
実は日本では2回更新どころか大卒新人採用時点から終身雇用になっており、労働者の国たる中国以上に日本は労働慣行においては社会主義的だということが出来ます。
日本の労働改革はまだまだ正すべき点が多々あります。