毎年新春の風物詩、箱根駅伝。
今年は最終の10区でまさかの大逆転とドラマチックな展開で、駅伝ファンは大いに盛り上がったことと思います。
箱根駅伝は、襷を繋ぐという駅伝ならではのドラマ性に加えて、山登りや山下りといった通常のマラソンやトラック陸上では有り得ないコース設定、出身母校愛、シード権争い、等々、見どころ盛り沢山な伝統的イベントであることから、人気があるのも首肯出来ます。
それでも尚、敢えて箱根駅伝の疑問点を指摘したいと思います。
最大の謎は「外国人留学生」の活躍です。
国籍や人種で差別すべきではないと思いますし、全ての留学生ランナーがそうだと言うつもりもありません。
然し中にはどう見ても留学は口実であり、箱根駅伝を勝つために呼ばれたのであろうという外国人選手も見掛けます。
言葉だけが全てとは思いませんし、最近では英語での講義も珍しくないとは言え、日本に留学して数年ぶり経っているにも関わらず、満足にインタビューにも答えられない外国人留学生を見るにつけ、この人は留学生という名の、プロ野球でいう「外人助っ人」なのだろうと思えてしまいます。
次に不思議でならないのは当日の選手交代です。
箱根駅伝の選手登録ルールを簡単におさらいしておきます。
出場が決まった大学は、12月上旬頃にエントリーメンバー16名を決定、12月末にそこから更に厳選された10名が箱根駅伝ランナーとして発表されます。
問題の先で、往路・復路ともに、当日のレース開始1時間10分前迄であれば出場選手を交代することが出来るルールになっています(尚、正競技者と補欠競技者の交替は 6 名迄、1 日に変更できる競技者は 4 名迄、正規メンバー内での区間エントリーの交替は不可、といったルールもあります)。
10名で繋ぐ競技である以上、12月末の10名発表から負傷したり明らかに調子を落として本番出走が困難な選手を入れ替えるのは理解出来ます。
然し実際には他チームとの駆け引きの道具としてこのルールが(敢えて言いますが)悪用されているのが実態です。
中には自分は「当て馬」だと分かっている選手も居るでしょうが、それでも学生スポーツとして、この当日の選手交代は如何なものかと大いに疑問を覚えます。
学生スポーツの本来の目的は、教育にあると私は思います。勿論、その結果としてチームが勝利することを否定はしませんが、勝つことを目的とした外人助っ人の活用や、当日の選手交代は、学生スポーツとして如何なものか、疑問を感じざるを得ません。
箱根駅伝が大学陸上最大の大舞台となっているが故に、この機を大学宣伝に使おうと思っている学校も少なからずあるでしょう。
失礼ながらも箱根駅伝に出場していなければ、全く無名の大学も少なからずあります。
これが学生スポーツの在り方として良いのかどうか、一度立ち止まって考え直してみるのも良いかと思った次第です。