金融庁が、年金だけを収入とする無職の高齢夫婦は毎月の約5万円の赤字で、貯蓄を取り崩しながら30年間生きた場合は20百万円が不足すると発表しました。
急速な少子高齢化で年金財源が不足するのは相当前から自明ではありましたが、政府は今まで年金は破綻しないと言い続けて来たのですから、この大きな変更にはもっと丁寧な説明があって然るべきだと思います。
現在、支給開始年齢を70歳以降にも繰り下げられるようにしたり、企業に70歳まで雇用するよう要請したりと言った方向性が検討されていますが、何も政治家が選挙を気にしてこの問題に正面から取り組んでいない結果の小手先の対応に過ぎません。
抜本的には消費税を大幅に引き上げ、年金財源のみならず社会保障費全体を国民全体で負担する形にシフトすべきですが、与党は有権者を恐れてその主張をせず、野党に至っては消費税アップは弱者いじめだと言う全く事実と正反対の主張をしてしまっています。
前回も書きましたが、消費税は極めて公平な税制です。消費すれば払うししなければ払わなくて良いので自分でコントロール出来ますし、生活必需品の軽減税率さえ導入出来ていれば、基本的にはお金持ちからより沢山税金が取れる、高齢者でもガッツリ稼いで消費する人からは税金が取れる、こんなに理想的な制度はありません。
そうした議論をしないで70歳云々の議論をするのはナンセンスで、寧ろ「死ぬまで働け社会」を推進する恐ろしい国に向かっている気がします。