西村経済再生担当大臣が11月25日(水)に「この3週間が勝負だ」と国民に訴えてから、この記事を書いている本日12月16日(水)に3週間が経過しました。
然しながら、結果的には大半の都市で人手の劇的な現象は見られませんでした。
「勝負の三週間」は何故国民に響かなかったのでしょうか。
そもそも政府、特にコロナ対策を担当する西村大臣が国民から信頼されておらず、「この大臣が言うのだから従おう」という雰囲気が全くない、そもそもの問題もあるでしょうが、それ以外の要因は無いのか、考えてみたいと思います。
多くの方が感じられたと思いますが、緊急事態宣言時とは異なり「勝負の三週間」では少なからぬ飲食店が通常営業を継続していました。理由は極めてシンプルで、これ以上営業自粛をすれば潰れてしまうからです。
また店も客も、一定の感染防止策を講じれば飲食をしても必ずしもクラスター化する訳ではない、ということを、感染第二波の際の「夜の街クラスター」で学んだという点も挙げられます。
中には、どうみても感染対策などゼロの飲食店に、感染予防意識ゼロの客が集まっている様子も見られましたが、国民全体としては、感染対策を確りしていればお酒を伴う夜の会食では感染しないと考えたからだと思います。
そしてもう一つは企業経営者の意識です。
第一波、第二波が収束する度に、一部経営者からは「テレワークに慣れてしまった社員をどうやって会社に戻すか」という声が聞かれ始めました。
ジャパニーズサラリーマンの多くは能力や実績以上に忖度と贔屓で昇格昇給が決まるので、上司が「在宅するやつ=仕事しないやつ」という雰囲気を出せば、おのずと出社する人が増えてしまいます。
恐らく大手企業の大半ではテレワーク出来る筈ですが、未だに高い出社率の会社が少なくありません。本当に「勝負の三週間」をやりたいのであれば、官邸や大臣は国民一人一人に呼びかけるのではなく、経団連・同友会・商工会議所を通じて「経営者」に訴えるべきでした。
政治を恐れて経営者が社内で強い指示を出せば、恐らく「勝負の三週間」は違ったものになったであろうと思います。
かくいう筆者も残念乍ら出社せねば出来ない業務がある為、基本は在宅勤務しつつも毎週2日程度は出社を余儀なくされています。朝晩の通勤電車は普通に「密」で、「勝負の三週間」を効果的にやるには、こういう通勤電車に乗っている私を含むサラリーマンを会社に行かせないことではないのだろうか、と思っています。