建国を祝わない国

「2月11日って何の祝日なんでしたっけ?」という質問は流石に無知すぎるとして、「どうして2月11日が建国記念日なんでしたっけ?」という質問には直ぐに答えられない日本人も多いかと思います。

実際、日本の建国記念日は他の多くの国と比べてもかなり特殊で、一般的には「独立記念日」、つまりどこかの国の支配から脱して「国」として成立した日です。

アメリカの7月4日は映画「インディペンデンスデイ」で有名になりましたが、第二次大戦前後まで欧米列強の植民地だったアジア・アフリカ諸国や、旧ソ連に属していた東欧諸国の多くでは、独立記念日が建国記念日となっています。

もう一つメジャーな建国記念日は「革命記念日」です。前政権を革命で打倒し現政権が国家を樹立した日を記念したもので、有名なのは中国の10月1日の国慶節で、毛沢東が中華人民共和国の成立を天安門で宣言した日が建国記念日となっています。

一方で日本の建国は、そもそもいつなのか、何を以って建国とすべきなのか、すら判らないくらい遠い昔の為、明治になってから『日本書紀』上の神武天皇の即位日である紀元前660年の旧暦1月1日を以って「建国記念日」と定めたものです。

歴史的に明確な日付が無いままの近代に人工的に定められた為、日本では建国記念日を祝うオフィシャルな祝典がありません。これも世界的にはかなり変わった状態です。

自民党は政府主催で建国記念日の祝典を開催することを公約として掲げていた筈ですので、是非とも実現させて頂きたいと思います。

然し、自国の建国記念日すら祝っていないのに、10月になると訪日中国人買い物客をターゲットに「国慶節セール」などと打ち出している小売店を見ると、なんだかなぁ、と思ってしまいます。

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