私は30年近くに亘るサラリーマン人生の半分を海外で過ごしてきましたので、ニッポンの「労働慣行」の異常さが目につきます。
幾つか例を挙げてみましょう。
「有給休暇」取得の在り方について、日本では会社や上司が認めてくれないとか理由が要るとか要らないとかいうレベルの議論がまだまだ主流ですが、一般的に海外ではそれらは議論の余地すらなく、「有給休暇」は全て取得するのが当然な労働者の権利です。
年末に有給未取得があれば上司から「あと〇日残っているので計画的にすべて取得するように」と促すのは当たり前、使い残した有給があれば企業が買い取らなければならない国もあります。
私の勤務する会社には2か月に1日、有給休暇を取得しなければならないという制度があり、ニッポンの会社的にはとても素晴らしいと思うのですが、私が海外に勤務していたころに外国人上司からは笑われました。
曰く、「有給って取るのが当たり前なのに、当たり前の休暇を取る為の制度があるって変だ」と。
最近はニッポンでも徐々に社会認識が変わってきたようですが、海外では「家族が熱を出しました」とか「歯を抜いたら思ったより傷んだので」という理由で休むのは全く不自然ではありません。
「働き方改革」以前にやることがまだまだ沢山ある、と感じています。