私が社会人になったばかりの時代は漸く家庭にパソコンが普及し始めたばかりで、会社には共用パソコンが数台あるのみでした。
ワープロ専用機は広く普及していましたが、ワープロで書類を書くと「手書きでないと心がこもらない」などという不条理な理由で、上司から突き返されたこともありました。
然しそこから僅か数年にして、あっという間にオフィスにも一人一台パソコンが配備され、紙の書類の郵送やファックス送信ではなく、電子メールでファイルを送る時代になりました。
そこから数十年、今ではスマホさえあればパソコンを持ち歩いているのに等しいくらいに何処でも多くのことが出来てしまいます。
このように技術の発達に伴って、我々の行動様式も否応なく変えていかなくてはなりません。
中国では乞食すらQRコードでお恵みを貰っているのは有名な話ですが、然し日本人の少なからずはこうした変化に対応するのが苦手のようです。
コロナ禍でもあり出来る限り外出しないよう、あんなこともこんなこともリモートで出来ますよ、とご年配の方にお話ししても、「それは年寄りには無理」と全く聞く耳を持って頂けません。
いやいや、中国ではお年寄りだってスマホ決済やっていますよ、人間、必要に迫られれば年齢に関係なく出来ますよ、と申し上げるのですが、試そうともせず「無理」「出来る訳がない」の一点張りでした。
日本では圧倒的に現金で支払っている人が多いですが、その為に失っている金銭的労働的コストは膨大な額になります。
コストに限らず、効率化や合理化出来ることが出来ない結果、世の中の変革も起こり難くなります。
世界では発展途上国ですら急速な変革が進んでいるというのに、このままでは我が国はデジタル技術の分野で圧倒的な後進国に転落してしまうことになるでしょう。
コロナ禍だからこそ、政府主導で強力なデジタル化の推進と年配者の利用促進策を打ち出して頂きたいと思います。