日本では会社が家族のようなものなので、職場における人間関係は悪くない、と思われている人も少なくないでしょうが、こんな記事が出ていました。
この記事によれば、ISSP(国際社会調査プログラム)の2015年調査で「自分の職場では、職場の同僚の関係は良い」と思っている人の割合が日本は調査対象37カ国中最下位だったそうです。
記事を読み進めていくと、然し成る程と思わせる事が多々ありました。
私が会社に入った頃は「会社の行事」が結構沢山ありました。会社を挙げての部署対抗運動会、野球大会、テニス大会、更には部署単位で地元のお祭りやイベントへの参加などなど。
若い頃は、なんで勤務時間以外にもそんなに会社の行事に出なきゃいけないんだ、と思っていましたし、今はそうした考え方が定着したからこそかつてのような会社の行事は無くなりつつますが、結果的には社員同士のコミュニケーションを図る機会は減っています。
昔は「飲みニケーション」も重要な社員同士のコミュニケーションツールでしたし、タバコ部屋での雑談も日頃は会話しない人や部署との雑談を通じた意見交換の場として機能していましたが、職場に女性も増え、様々な雇用形態やライフスタイルの人が職場に増えてきた結果として、そうした旧態依然としたコミュニケーションの取り方は、寧ろ差別に繋がる可能性すらあるので、回避されているようにも思います。
会社の行事や差別的なコミュニケーションの取り方がなくなってきたのは悪いことでは無いのですが、日本の職場の問題はそれに代替する物が全く無い、という点が、職場の人間関係が最悪だという調査結果に繋がっているように思えます。
記事ではスウェーデンの「フィーカ」という習慣が紹介されています。スウェーデンではコーヒーを入れたら、自席に戻らず、その場に居合わせた人たちと話をする習慣があるそうです。
日本でこの手のコミュニケーションが出来ない理由は、机に座っていること=仕事をしていること、という習慣にあると思っています。
日本ではタバコを吸いにいく人をサボっている!と批判したり、逆に何もしていなくともじっと机に向かっているだけで仕事をしていると見做したり、と言った事が日本では散見されます。
結局、多様性重視と言いつつ、メンタルには多様性を認めていない、という日本の職場文化が、結果として職場の人間関係を円滑にさせていないのでは無いでしょうか。