2022年3月下旬から中国/上海がロックダウンし、食料不足や医療逼迫など、多くの問題が報じられています。
日本でも、コロナ初期やオミクロン初期には強硬な封じ込め策を主張する識者が少なくなかった中、今回の中国のロックダウンから日本が学べることは無いか、考察してみたいと思います。
中国はコロナ発祥の地である武漢にて強硬なロックダウンを実施、その後はほぼゼロコロナを達成したことから、日本を含む世界各地がコロナ禍で苦しむ中、厳しいデジタルツールによる行動管理を実施しつつも、コロナ禍前と変わらない日常を継続していました。
この実績から、コロナ禍のような事態では国家が強権をもって強硬な封じ込めをする方が良いという意見が日本でも散見されましたが、今回の上海のロックダウンをみていると、必ずしもそうとは言えないことが判ってきたものと思います。
先ずそもそも、オミクロン株のような感染力が強い(厳密には感染力が強いのではなく感染から発症までの日数が短いことが結果として感染者急増に繋がっているようですが)ウィルスの場合、封じ込め自体が極めて難しいということです。
中国は世界でも最も厳しい水際対策を実施しており、入国時隔離は2~3週間(都市によっては更に長い場合も)、空港から隔離ホテルに強制移送され、部屋から一歩も出られません。市中感染者が発見されれば、濃厚接触者の濃厚接触者まで2週間の強制隔離となります。
その中国ですら、現在、全土にて感染者が相次いでおり、封じ込めが出来ていません。
国家が強権を揮うことが可能な社会主義国ですらウィルスを封じ込められないのですから、人権を重視する民主国家でゼロコロナは不可能だということです。
加えて、接触感染や飛沫感染のみならず、空気感染するウィルスは通常の隔離では対応できないという点も挙げられます。
上海では、この記事を書いている時点でロックダウンから1か月が経過していますが、未だに新規感染者が高止まりしています。部屋から一歩も出られないにも関わらず感染が収まらないのは何故なのか、中国政府も分析出来ていないようですが、現地ではPCR検査会場やデリバリー配達員経由が疑われているようです。
今までであれば、ここまでやっていれば感染しないだろう、と思われていた対策では不十分だということになります。
上海のロックダウンで一番問題になっているのは食料不足問題です。これはロックダウン前に社会インフラを維持する施策が不十分だったことに起因しますが、然し巨大都市でロックダウンしながら社会インフラを維持するには相当の準備と対策が必要であり、社会主義国ですらうまくいかないのであれば、民主主義国で出来るとは到底に思えません。
今回の上海におけるロックダウンから我々が学べたことは、ロックダウンではコロナを封じ込めることは出来ないこと、従ってゼロコロナは幻想であってウィズコロナが唯一の選択肢であり、それを前提に備える必要があること、だと思われます。