G20大阪サミットを振り返って(2)

このブログを書いているのは7月3日。閉幕から僅か数日しか経過していないにも関わらず、既に殆ど話題にすらならないG20大阪サミット。

最大の要因は、トランプ米大統領の電撃北朝鮮訪問でしょう。

中身があったかどうかには大いに議論のあるところですが、現役米大統領として初めて北朝鮮に入った意義は非常に大きいと私は思います。

単なるパフォーマンスだとの批判もありますが、然し今回の電撃訪朝で、アメリカは中国に対し「北朝鮮との折衝に中国の力は要らない。北朝鮮カードは対米交渉カードにはならないぞ」という、非常に強いメッセージを投げたことになり、外交的には大きな成果だと言えるのではないでしょうか。

トランプ大統領個人の方が話題になってしまうくらいに成果に乏しかったG20大阪サミット。成果に乏しかったのは、然し当然です。

今回、ほとんどのテーマは米国対19か国。

日本としては議長国として纏めたい一方で、米国への過剰なまでの配慮をした結果、どっちつかずの差配になってしまった感は否めません。

個人的に、一番腹立たしかったのは、トランプ大統領息女のイバンカ女史です。

彼女は単なる一介の大統領補佐官であるにも関わらず、何か勘違いをしているのではないか、という振る舞いが報道されていました。

本来は議長国たる日本が注意すべきだと思うのですが、安倍総理にはそれは絶対に無理でしょう。

私個人としてはトランプ大統領は、グローバル化から取り残された米国民の意見を反映した存在であり、その「破壊力」があればこそ成し遂げられていることも多い、と評価していますが、然し一方で、世界のインテリジェンスから異端児と思われているトランプ大統領と異様なまでの蜜月ぶりをアピールする安倍総理には大いに疑問を覚えます。

安倍総理がトランプ贔屓だと思われてしまえば、議長として纏められるものも纏められない、その結果が今回のG20大阪サミットだった、と感じてしまいます。

要すれば、トランプ大統領に始まりトランプ大統領に終わったG20大阪サミット、というのが今回の総括なのかもしれません。