中国は何処へ行くのか

中国の共産党大会が終了し、習近平氏が異例の3期目に入ることが確定しました。更に今回の布陣を見れば5年後の後継候補も見当たらず、4期目も視野に入れている、永久政権を目論んでいることも透けてみえます。

習近平主席就任後の中国を見ると、毛沢東時代を彷彿とさせる個人崇拝が推し進められてきた他、前政権が掲げていた国有企業民営化から180度方向転換し、民間企業への国の介入を強化する姿勢も鮮明になっています。

そして何よりも、新型コロナウィルス対策として導入された健康アプリを用いて、人民一人一人の行動を監視し制限するシステムを構築することにも成功しました。

従来より政権に不都合なネットへの書き込みは削除され、不都合な衛星放送はブラックアウトさせることは少なくありませんでしたが、その傾向は更に顕著となり、ちょっとしたコメントでもアカウントごと削除され、党大会を報じるNHKすら全てシャットダウンするなど、情報統制は苛烈を極める状況です。

手法こそ近代化してますが、中国全体が、大躍進や文化大革命のころに先祖返りしているように見えます。

人類の歴史上、個人独裁や個人崇拝が引き起こしてきた数々の悲劇が、21世紀の中国で再び繰り返されようとしているとは、人類は歴史からは学べない生き物なのだろうか、という無力感や虚脱感にすら襲われます。

異形の大国となった隣国に、私たち日本人は、日本国は、今後少なくとも5年、恐らくはそれ以上の長きに渡り対峙していかなくてはなりません。

そして更に恐るべきは、この手の個人独裁や個人崇拝は決して長続きせず、必ず悲劇的な最後を迎えるということです。

その時に私たちは備えておかねばならないと思います。

中国は一体、何処へ向かおうとしているのでしょうか。