原発再稼働について考える(3)

先日(2)を書いたばかりだったのですが、あまりに酷い話なので(3)を書きます。

原子力規制委員会は4月24日、規制で求めている「テロ対策」が未完の原発を運転停止とする方針を発表しました。

この「テロ対策」とは2013年に導入された規制で、例えばテロリストが操縦する飛行機を原発に衝突させる等の攻撃を行った場合でも、必要に応じて遠隔操作で原子炉冷却維持が可能となる施設の設置を義務付けるものです。

これによって、万一の事態でも福島原発事故のように放射性物質をまき散らす事故を回避することが可能となります。

電力各社は5年以内にこの規制に対応するよう求められていましたが、来年3月の期限まで残り1年を切った現状、対策が間に合わないであろうと思われる原発があったことが背景にあります。

これに対して、該当する原発を有する電力各社からは延長を求めたり、そもそも規制で求める対策は出来ているとの弁明を行っていますが、これこそが日本の原発の問題の象徴のような件だと思います。

5年もの猶予期間があったにも関わらず、今更になって対応できないから何とかしてくれ、との言い訳は、原発の安全性を軽視しているとしか言えませんし、規制委員会を舐めているとしか思えません。

対策工事を行ってみたら思ったよりも難工事で時間がかかっている、という説明をしている電力会社もあるようですが、規制が求める対策が出来ないのであれば、その原発は稼働要件を満たしていないのですから停止するのが当たり前です。

もちろん、停止したところでテロに会えばリスクは十分にあるので、停止しつつも早急にテロ対策は行わなければなりません。

こんないい加減な状態で原発再稼働が行われていることに、開いた口が塞がりません。

 

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