千葉県市原市の養老川沿いにある地層が地球の磁場逆転の痕跡を表す「地磁気逆転地層」であるとして、該当する年代(77万~12万6000年前)を「チバニアン(千葉時代)」と命名する申請を国際学会に提出し、認定されれば初めて日本の地名が地球史に登録されるかもしれない、という報道をご覧になった方も多いかと思います。
ところが2019年6月24日付の報道によれば、このチバニアンが登録出来ない危機に陥っているとのこと。
<引用>日経新聞:チバニアン命名実現へ条例制定めざす 2019/6/24
千葉県市原市の地層にちなんで古代の地質時代を「チバニアン」と命名する取り組みを巡り、推進派と反対派が衝突している。命名に反対する一部の研究者が地層付近の借地権を取得したため、国際学会が命名の条件とする自由な立ち入りができなくなる可能性が浮上した。市原市は研究目的の立ち入りを拒否できなくする条例を近く制定し、チバニアン実現をめざす。
(引用終わり)
一体何が起こっているのか調べてみました。
この地層の調査分析結果を巡り同じ茨城大学の研究者同士の意見が対立、反対派側の研究者が地権者から地層近くの土地の賃借権を取得することで、「調査・研究目的で自由に立ち入りが出来る」とする認定条件を満足させないようにしているようです。
反対派の研究者によれば、研究論データにはチバニアンとされている場所とは違う土地で採取された資料を使っていると主張、これに対して推進派の研究者は一部研究データは確かに違う場所で採取された資料も含んでいるが、チバニアンの高さが不足したための補足材料であって論文にもその旨は明記しているとのこと。
素人の私にはどちらの研究者の主張が正しいのかは全く判りません。
然し唯一言えるのは、学術研究で意見が対立しているならば、研究データと論文を以って対抗すべきであって、該当地の賃借権を取得して立ち入りを妨害するなどという、子供の喧嘩のようなことは研究者のすることではない、という点です。
千葉県出身者としてはぜひ「チバニアン」は認定して欲しいと思いますが、疑念点があるのであればきちんと学術的に解決して欲しい、反対派の学者には低レベルな反対活動は早急に止めて議論のテーブルに着いてほしい、と心から願います。