天皇陛下のご即位に伴って恩赦を行うことが検討されていますが、今の時代、恩赦が必要なのか大いに疑問です。
一番懸念されるのは、時の政権が恣意的に適用するリスクがあることです。
過去にも、例えば国連加盟に伴う恩赦では、公職選挙法や政治資金規正法に違反した政治家が含まれていたといった事例もあります。
恩赦の目的について、色々な説がありますが、直接的なところでは、「司法の限界をカバーする」ということです。
具体的には、司法制度上は有罪判決が出たけれども、事後的に諸々考えればそこまでの罪ではなかったのでは、本人も十分に反省しているのでは、世間も当時は盛り上がりすぎていたのでは、といった誤りを正す、というものです。
然しこれが行き過ぎれば、三権分立の中で確定した司法の決定を、実質的には行政が覆せることになってしまいます。
結局、時の権力者による権威付け、という側面は否めません。
その結果が、選挙違反者の恩赦、であっては、余りにもお手盛り感が有り過ぎます。
個人的には恩赦は反対ですが、恩赦制度を残すのであれば、なぜその犯罪者が恩赦対象となったのか、について政府は説明責任を負うべきです。
それなくしての恩赦は、単なる政治人気取りだと言われても仕方ないでしょう。