2020年は日本の岐路となるか。

2020年、令和2年となりました。

今年も国内外で多くのイベントが予定されていますが、日本の将来を左右する重要なイベントも少なくない為、幾つか主なものについてコメントしたいと思います。

先ずは何と言っても東京オリンピック・パラリンピックでしょう。

日本の主要観光地では急増している外国人観光客によるオーバーツーリズムが社会問題になっており、特に京都では交通インフラ不足や撮影マナー違反などがマスコミでも取り沙汰されています。

今年は首都東京に、京都観光を遥かに上回る外国人観光客が押し寄せることになります。

大会組織委員会によればオリンピック期間中の予想来場者数は780万人とのこと。この人数には首都圏在住者も含まれていますのでイコール東京の混雑増加数ではありませんが、それでも短期的に急増する人口に東京のインフラが耐えられるのか、疑問の残るところです。

首都圏にある多くの企業では、オリンピック期間中は時差出勤のみならず在宅勤務やサテライトオフィス勤務を推奨するところも出てくるでしょう。これが良い方向に向かえば、働き方改革がより一層進むかもしれません。

一方で懸念されるのがオリンピック後のリバウンドです。オリンピック用のインフラ整備が一段落すれば経済には一定のマイナス効果をもたらしますし、コンパクト五輪と言いながら結局作ってしまった過剰な競技インフラは今後は経済効果マイナスの負の遺産になりかねません。

選手村跡地が分譲されれば、上昇一辺倒だった都心の地価も下落圧力が強まり、不動産不況も想定されます。

次に注目すべきは選挙です。

国内では7月に予定されている東京都知事選のみならず、衆院解散選挙もあり得る状況で、そうなればポスト安倍総理がどうなるかで日本の当面の方向性が変わるかもしれません。

国際的にはなんと言っても11月のアメリカ大統領選が注目です。トランプ大統領が再選されるか否かに関わらず、米国社会の分断、即ち一部の富める者と多くの取り残された者の格差は、恐らくより一層際立つことになるものと思います。

そしてそうした格差問題は、米国のみならず日本を含む世界全体にも大きなうねりとして影響を与えるものと思われます。

そして年明け早々飛び込んできたイランのソレイマニ司令官が米軍にイラクで殺害された件で、Twitterでは第三次世界大戦がトレンド入りしたそうです。

天皇陛下は新年一般参賀にて「わが国と世界の人々の幸せを祈ります」とのお言葉を述べられましたが、これ世界が混乱に向かいつつあるからこそのお言葉だと私は感じました。

日本にとって最大の外交問題は、深まる米中覇権争いの中で、両国と繋がりの深い日本がどのようにして生き延びていくのか、にあります。

この舵取りを誤れば日本は脱出路のない窮地に追い込まれかねません。

2020年、令和2年は、日本にとって大きな岐路となる一年になるかもしれません。