報道によれば、韓国/文大統領が「南北間の経済協力によって平和経済が実現すれば我々は一気に日本経済に優位に追いつくことができる」と述べたそうです。
文大統領はかねてより北朝鮮寄りの政策を掲げてはいましたが、ここまであからさまに「北朝鮮と協力して日本に対抗する」旨を言及すれば、却って日本政府の主張する、韓国をホワイト国から外さざるを得なくなった安全保障上の理由を補強していることになります。
然し、北朝鮮と経済協力することで、具体的にどのようにして韓国は経済を盛り立てていけるのでしょう。
言うまでもありませんが、北朝鮮経済は制裁により徐々に追い詰められています。
北朝鮮と協力することで韓国経済が潤う可能性があるとすれば、最低限の条件として北朝鮮への経済制裁を解除する必要があります。然し北朝鮮は最近逆に短距離ミサイル実験の再開に踏み切った中、経済制裁解除は明白に国際合意に反する行為です。
更に、仮に北朝鮮への経済制裁が解除されたとしても、根本的な北朝鮮経済の弱さには変わりはありません。北朝鮮経済収入の根幹をなすのが軍需関係物品の横流しだと言われている中、北朝鮮と経済協力して発展する、ということは、北朝鮮と一緒に軍需関係物品の横流しをする、ということと同意になってしまいます。
文大統領は、このような国際社会への挑戦とも受け取れるような南北協力を掲げて、いったいどのような世界を目指しているのでしょうか。
まさか世界を北朝鮮のようにしたい、訳ではないでしょうから。