中国は何処へ行くのか(3)

香港で「逃亡犯条例」の廃案を求め連日大規模なデモが行われています。

主催者発表では200万人、警察発表でも34万人。香港の人口が700万人であることを考えると、圧倒的な民意を示すデモだったことは間違いありません。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、当初はデモを「暴力行為」だとしてスルーする強気の姿勢でしたが、収まらないデモに延期を表明、然しそれでもデモは収まらず、昨日にはとうとう「多くの市民の失望と心痛を招いたことを謝罪し、誠意と謙虚さをもって批判を受け入れる」との声明を発表しました。

前回の雨傘革命でも香港の政務司長として学生運動を取り締まった林鄭月娥女史なので、行政長官としてはより強硬な姿勢に出ることは予想されていましたが、流石に連日続く大規模なデモには「民意」を汲み取らざるを得なかったようです。

今回の香港デモを中国中央政府はどう受け取っているのか、が今後の中国を占う一つのポイントだと思っています。

現在の中国は「民意」を強権という「鞭」でフルコントロールしつつ「経済発展」という「飴」でその不満を抑える、という手法を取っています。

然し今回の香港のデモを見て、中国政府は圧倒的な「民意」を抑え込むことの難しさを実感した筈です。

ある程度は「民意」を汲み取って運営すべきだという「太陽政策」に進むのか、それともより一層「民意」を押し込めるべきだとする「北風政策」に進むのか。

童話の世界では「北風政策」は失敗します。

さて、中国政府はどちらに向かうのでしょうか。