デジタル社会の恐怖

8月19日、ツイッターとフェイスブックが、香港の反政府デモを妨害する目的で情報操作に使用されていたとして中国政府とつながりのあるアカウントを削除したと発表しました。

フェイスブックでは、2016年のアメリカ大統領選においても、ロシアが大量の偽アカウントを用いた偽ニュースを組織的に流し、選挙結果に影響を与えたとも言われています。

殆どの人がスマホを通じて、何時でも何処でも様々な情報にアクセスが出来るようになったことの裏返しで、「意図的に」歪んだ情報を流すことで、国民を、消費者を「誘導」しようとする動きは必ず出てきます。

フェイスブックやツイッターはアカウント削除で対応していますが、率直に言ってこの対応は「いたちごっこ」にしかなりません。目的を以って偽情報を流している人・組織は、アカウントを閉鎖されれば新たなアカウントを作って同じことを繰り返すのみでしょう。

私たちユーザー自身が偽情報に惑わされないように気を付ける、といっても、限界があります。一見、いかにも本当らしい偽情報を、本物か偽物か見分けることは極めて困難です。

つまり、これからの世界は、ふと気づけば特定な人や組織が、多くの人や国を、デジタル情報を通じてコントロール出来てしまう可能性と常に隣り合わせにあるということです。

ふと気づけば、誰もが望んでいなかったような社会が、情報コントロールで出来上がってしまうかもしれません。

私たちに出来る数少ない対応策は以下程度ですが、逆に言えばこの程度はやっていかないと、デジタル社会のもたらすリスクに対応出来ないものと思います。

①複数ルートから情報入手する

人はつい何時も同じソースから情報を入手しがちです。いつも読んでいる新聞、いつも見ている番組、いつも見ているサイト、ではないところを時々は見ることでバランスを取れば、多少なりとも客観的に物事が判断出来るようになるでしょう。

②自動アップされる記事は意図的に読まない

最近では過去の閲覧履歴から、ユーザーが好むであろう記事や広告が自動で表示されます。個人情報保護の観点から徐々に規制が進んではいくでしょうが、何れにしても「自分好み」の記事や広告ばかり読んでいると、どんどん一方方向に思考が流れてしまうので、敢えて自動表示されたものは読まず、としてみるのも良いかと思います。

③記事を疑ってかかる

フェイスブックへの中国やロシアの介入というレベルではなく、ごくごく普通のブロガーの記事も要注意です。アフィリエイトとして書いている記事ならば、閲覧が増えるように、特定の商品が売れるように、然し恰も普通のブロガーのブログとして書かれています。その内容は疑って読まねば消費者として誘導されてしまうでしょう。

微力でも、一人一人が上記のような動きをしていけば、特定人物や権力・機関によるコントロールを受け難い人になれるのではないか、逆にそれをしなければどんどん人類は危険な方向に向かっていくのでは、そう感じています。