新型コロナウィルスの感染者数が増加し続ける中、私の勤務先でもいよいよ首相から緊急事態宣言が発令され、東京都がロックダウンされた場合に備えた準備を本格化しつつあります。
私自身、10年以上に亘る中国大陸勤務で、2005年と2012年の反日暴動や、2008年のリーマンショックを直接現場で体験し、日本勤務時も鳥インフルエンザやSARS対応に追われた経験がありますので、再びこういう時代が来たか、という感じです。
然し失礼乍らも日本国内にいて危機対応を一度も経験したことが無い人が社内でも圧倒的多数、且つそうした人がえてして会社の中枢で物を決める/方針を策定する立場にあったりする為、なんとも不思議な方針が示されることに既に少なからず直面しています。
最近で一番驚いたのは、緊急事態宣言・ロックダウン時対応方針(案)なる代物。驚くべきことに、都内在住の課長以上の幹部は全員出社せよ、と記載されていました。
ロックダウンというのは確かに都市封鎖ですが、それは外出禁止(日本の場合は法律上、禁止命令が出せないため自粛待機)を伴いますから、原則は全員が在宅勤務・自宅待機であり、真に出社せざるを得ない業務がもしあれば、限定した幹部社員を出社させる、というのが一般的な対応でしょう。
きっとこの案を作った人は、都市封鎖=東京都に入れない、という発想しかなく、且つ緊急事態が発生したら幹部は必ず出社しなければならない、という発想から抜け出せなかったものと思います。
なお、幸いにも私の勤務部署では全員に在宅勤務用のインフラが配布されており、平常時ですら出社必須の業務はそれほど多くありません。
もう一つ驚いたのは、オフィスの扉の開閉。毎朝、ローテーションで社員がオフィスの扉の解錠・施錠を行っているのですが、全員が在宅勤務か自宅待機となった場合は当然にオフィスを開けないという対応かと思いきや、その担当部署からの回答は、それでも必ず誰か出社して、オフィスの開閉をせよ、でした。
その理由を問いただしたところ、誰もいなくなったら電話がかかってきたときの電話当番がいなくなるという驚愕の説明で、正常性バイアスもここに極まれり、です。
きっとこれからも驚くような社内指示が来ると思うと、もはや諦めを通り越して、わくわく感すら芽生えつつあります。