まだまだ世界中が新型コロナウィルス対応に追われている状況下、その後のことなんて呑気な事を言うな、とのお叱りを承知の上で敢えて書きます。
日本国内では、大都市を中心に感染が急拡しています。最早、東京都民や勤務者にとって、隣の人は感染者、もしかしたら自分も無症状感染者、だとと思った行が求められている段階です。
そんな中、今、批判を浴びつつあるのが都民の週末首都圏脱出です。
都内が外出自粛だけれども外出したい人の中には、「そうか!都外に外出すれば良いのだ!」と、週末を地方で過ごそうという人が増えているようです。
それに対して「武漢封鎖直前に武漢を出た人のような行動だ!」との批判が相次いでおり、専門家からもそうした疎開行為はウィルス拡散の懸念があるので自粛するようにとの意見も出始めました。
私には脱出した人の気持ちもわかるし(過去の記事にも書きましたが、私は同一県内とは言え、都市部と地方の二地域居住者)、来るなという人の気持ちも判ります(都民では無い立場として)。
然しその結果、徐々に「都市市民対地方住民」の対立が煽られつつあることに強い懸念を覚えます。元々地方の中には都市からの移住者を快く思っていない層がおられます。今回のコロナウィルス騒動が収まった後も、この「都市市民対地方住民」ので禍根が残っていない事を祈ります。
もっと心配なのは反グローバル化です。当初は欧米でアジア人が差別されるとの報道も多く見られましたが、もはや人種に関わらず感染拡大が続いています。
今、世界的に懸念されるのは自国第一主義。各国で衛生用品や医療器具が不足する中、輸出を禁じる措置も増えつつあり、その結果、他国からの輸入に依存する体制は万一の際に危険だという認識が広まりつつあります。
ウィルス蔓延前から、トランプ大統領を誕生させ、Brexitを実現させた、グローバル化によりデメリットを被って来た層による反グローバル化の波が、恐らく今後、更に加速する事になってしまうでしょう。
そして最も懸念されるのは、民主主義の否定です。今回のような未曾有の危機に直面した場合、残念ながら民主的な手続きを踏むよりも、絶対主義的・全体主義的な強権国家の方が強制力を以って事態に当たることが出来た側面があることは、残念ながら否定出来ません。
未だに最終的にウィルス封じ込めたが成功したとは限りませんが、少なくともこの記事を書いている現段階では、そうした一党独裁体制の存在が一定の支持を得る結果となってしまっている面は否めません。
これは、人類が長い歴史の中で漸く勝ち取った民主主義にとって、非常に大きな危機だと思います。