NHKの社会的使命は終わった

2020年1月、みずほフィナンシャルグループ社長の前田氏がNHK会長に就任した際、私はこれでNHKも民間企業経営ノウハウを取り入れた改革が進むと期待していたのですが、その後約1年が経ち、その期待は見事なまでに裏切られたと感じています。

NHKは放送法に守られている極めて特殊な報道機関ですが、その意図は国民に遍く情報を伝達するという使命にありました。

【NHKサイトより引用】

NHKは、全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送を行うことなどを目的として、放送法の規定により設立された法人です。

然しインターネットやケーブルテレビ、衛星放送など、様々な情報伝達手段が発達した今日、相当な山奥でも情報孤島になることは殆どありません。

この時点で、NHKの歴史的使命は終わっていると言えます。

にも関わらず存在し続ける意義を見出すならば、民放では出来ない公共放送ならではの独自性を示すべきでしょう。

ところが前田会長の下で行われている改革は、受信料徴収の強化という時代錯誤的なものが中心でした。

もはや歴史的使命を終えたNHKは「見たい人が見る」放送であるべきで、現状維持で受信料で経営するのであれば、極めてシンプルにスクランブル化すれば良いだけです。

全く難しい技術ではありませんから、その気になれば直ぐにでも導入可能であるにも関わらず、NHK側からそうした方針が全く打ち出されないのが不思議でなりません。

スクランブル化すれば受信料が減ると思っているのであれば、それまでの放送局だということになります。逆に言えば、制作している番組に自信があるのであれば、スクランブル化に踏み切れる筈です。

そうした努力無しに、10月に打ち出された「テレビ設置届け出義務化」や、「応じない未契約者の氏名照会」という全体主義、社会主義国でもやらないような強硬策に出るのは、もはや社会の敵だとすら感じます。

また、未だに徴収人なる人海戦術で受信料を集める手法に至っては、コロナ禍でリモートやオンライン化が叫ばれる中、時代に逆行しているのみならず、一歩間違えば徴収人を介してNHKがコロナウィルスを広げて回る可能性すらあり、これはもう犯罪と言っても良いと感じます。

NHKにはもっと真摯な改革の推進を強く求めます。