東日本大震災から9年の月日が経ちました。
9年と言うと大人にとってはそれほど長い年月ではないかもしれませんが、子供にとっては小学校に入学してから中学を卒業するまで、決して短くは無い時間です。
然し未だに福島原発の廃炉は具体的な道筋が見えず、それどころか日々増加する汚染水の処理すら方針が決まらないような状況です。
東日本大震災それ自体は天災ですが、福島原発事故は紛れもない人災だと思っています。
天災への備えには限界があります。
然しそれを「想定外だった」と言うだけで済ませてしまうのは間違いです。
「想定外」な事も起こり得る、つまり原発は絶対に安全なのではなく、万一のじこは起こり得るので、それを前提とした備えが必要だったのですが、その発想が無かったことを、国や電力会社は深く反省し、今後に活かさなくてはなりません。
各地の原発再稼働の議論を見て思うのは、安全性の向上ばかりが強調されており、そうした「万一への備え」に多くが語られていないことへの違和感です。
原発事故が起こったらどのエリアが汚染されるのか、その地域の住民は短期・中長期に何処へ避難するのか、汚染された地域の復興はどうするのか、汚染水は、廃炉は、等々、福島原発事故から得られた貴重な教訓を全く活かせていないことに憤りを覚えます。
今からでも遅くありません。
9年間に私達が直面した問題を今一度振り返り、次に原発事故が起こった際にどう行動するのか、それを考えるところからやり直しましょう。
またそうした議論が進んでいない原因の一つは「無責任体制」にもあります。
あれだけの事故を起こしていながら、その責任を取ったという話を寡聞にして存じません。
責任を取る人が明確になっていないので、万一への対応がおざなりになっているものと感じます。
繰り返します。
今からでも遅くありません。9年間の経験を振り返って、対策を考えましょう。