日々刻々と状況が変化する新型コロナウィルスの感染拡大。
東京都の小池都知事は、昨晩(3月25日20時)に緊急記者会見を開き、平日の在宅勤務の推奨と夜間外出の自粛、並びに週末の外出自粛を要請しました。
人類が直面する初めての事態である以上、定説も常道も王道も無く、今この瞬間の判断の妥当性を評価する事は適切ではありません。
然し過ぎ去った判断を振り返ってみれば、あの時のあの判断は間違っていた、という評価は可能かと思います。
ここではそうした振り返りを記録していくことで、将来再び人類が似た様な危機に帳面した際の手助けとなればと、不遜ながら思い、書いていきたいと思います。
【失敗事例(1)】中国政府の情報隠し
各種報道から判断するに、少なくとも武漢では昨年末からSARSのような新しい感染肺炎が流行しつつあることを、医師は把握していたようです。
然し不幸にして亡くなられた眼科医、李文亮医師の勇気ある告発は、中国政府によって封殺され、結果として人類全体としての初動を誤ってしまったことは、最早疑い様もありません。
各国の政治体制や国民管理方法を論じるつもりは全くありませんが、重大な危機における情報管理と開示を誤れば、人類全体を危機に陥れる事がある、という事を、中国はもちろん、各国政府や機関は肝に命じておくべきです。
【失敗事例(2)】WHOの機能不全
中国発で急速に新型コロナウィルスが蔓延しつつある事が明らかになってなお、WHOはパンデミックでは無く局地的なもの、中国はよく対応している、とのコメントを繰り返しました。
WHOがこのような重大なミスを犯してしまった要因は大きく2点。
一つ目は、SARSの際に早く出し過ぎたパンデミック宣言に対する批判を踏まえ、保守的になり過ぎたこと、です。
SARSではパンデミック宣言をしたにも関わらず想定ほど被害が拡大せず、結果、経済損失が甚大となったことから、WHOが事後的に非難されることとなりました。
然し当たり前ですが、生命が掛かっている以上、少し勇足くらいの宣言を出すくらいが妥当なことは明らかです。WHOの幹部は、結果的にそれほど拡大せず非難を受ける位は覚悟を以ってその任に当たるべきだし、それが出来る人を幹部に選ぶべきでした。
二つ目の誤りは、上記にも繋がりますが、特定の利益を忖度した運営をしてしまった点です。
WHOのテドロス事務局長の一連の発言は、誰がどう聞いても不自然なことが多く、その背景には出身国エチオピアと、中国との経済的な繋がりがあったことにある、という点は、最早疑う余地もありません。
WHOに限らず、国際機関が特定の国の利益代弁者に成り下がらないようあな仕組を考えていかなくてはなりません。
【失敗事例(3)】政治的配慮による感染拡大
世界中が感染発祥国である中国大陸からの入国を制限する中、日本国政府は湖北省のみに制限を掛け続けました。当たり前ですが、広い中国の中を人々は移動するので、やるならば中国全土を対象にしなければ実効性は相当に薄れます。
実際、日本での感染初期の拡大傾向を見る限り、圧倒的に中国由来でしたので、序盤で中国全土を対象としていれば、国内感染は相当に抑えられていたでしょう。
然し日本国政府は、習近平国家主席の訪日延期とほぼ同時に中国全土の規制を発表、誰がどう見ても習近平国家主席の訪日を実現すべく、規制を遅らせていた政治的配慮でした。
政府は緊急事態においては、国民の生命を守ることを最優先すべきだったと思います。
【失敗事例(4)】経済優先による対策遅れ
世界中の主要都市が外出制限や都市封鎖を行う中、東京都はなかなか強硬な措置には踏み切りませんでした。
然し東京オリンピックの延期が発表された直後、今回の都知事による緊急会見が行われました。
これも失敗事例(3)と同様で、オリンピックをなんとしても開催したいという経済への配慮が優先した結果、国民の生命を脅かす結果を招いてしまったことになります。
さて、今後数週間が山場だという知事の言葉通り、その後は収束に向かうのか。
ここから先は、政府のみならず私たち一人一人が試されているものと思います。