香港は何処へ向かうのか

香港の著名俳優が「香港はエリザベス英女王の保護の下で祝福された地となった」という内容の追悼コメントをインスタグラムに投稿したところ、中国大陸のネット上で批判が殺到して謝罪に追い込まれた、との報道がありました。

中国大陸の人と、香港の人の価値観の違いを浮き出させる事例だと思います。

香港人の多くは自らは「香港人」であって「中国人」ではないと思っています。

中国は嫌いだと公言して憚らない香港の方も少なくありません。

中国大陸政府からすれば、アヘン戦争で香港が割譲されたことは屈辱であり、一国二制度など早期に解除して香港を完全に中国化したいと思っているでしょう。

然し、日増しに中国化する香港を見て少なからぬ香港人は香港を脱出しつつあります。喩え中国大陸政府が香港を手に入れたとしても、それは抜け殻になっているものと思います。

1997年の香港返還当時、一国二制度が続く50年も歳月あれば中国大陸も民主化し中国大陸が寧ろ香港のようになって円滑な一体化が行われるのでは無いか、との期待もありました。

然し現実は全く逆となりました。

約束された筈の50年を待たずして香港人の自由は次々に奪われ一国二制度は形骸化されつつあり、中国大陸は民主化どころか個人崇拝の独裁化が進みつつあります。

こんな未来を想像できた人は、返還当時、殆ど居なかったでしょう。

香港は何処へ向かおうとしているのでしょうか。