中小企業というだけで守られるべきなのか

お隣韓国では10大財閥企業Gだけで国内経済の半分を占めるといわれていますが、我が国では企業数の9割以上が中小企業、就労人数でみても7割が中小企業で働いていることから、我が国は中小企業こそが根幹だといえます。

実際、大手製造メーカーの製品よくよく見てみると、大手は全体設計や組み立てを担当しているアッセンブリーが中心で、実は根幹となるパーツは中小企業が、その積み重ねた技術力を持って作り上げている、ということも少なくありません。

そういう観点から中小企業を如何に支えていくか、は我が国の将来にとって極めて重要です。

然し一方、「働き方改革」の中では中小企業における労働実態がしばしば語られます。時間外の削減は大企業だからできるのであって、中小企業が時間外削減どころかサービス残業をなくしてしまったら、倒産してしまう、というものです。

おそらくそのような中小企業は非常に多いと思います。

然しだからといって、中小企業がそこで働く労働者の「サービス残業」に支えられていて良いのか、というと、やはり大いに疑問を感じます。

「最低賃金」の引き上げで議論になるのは都道府県格差で、現状、都市部は高く地方は安くなっているため、結果的に都市への人口集中を加速させる要因の一つになっています。

地方創生、地方分散を唱えるならば、最低賃金は少なくとも全国一律とすべきですが、これを唱えると中小企業の経営を圧迫することになるので、地方選出の議員にとっては死活問題となることから、議論が深まることはありません。

私は、働き方改革を推進し、最低賃金を全国一律とすることで、つぶれてしまうような中小企業は、今まで労働者に甘えていたのであって、本来はそういう中小企業はつぶれて、労働者はより条件の良い会社に行く、というのがあるべき姿だと思っています。

勤務先がつぶれてしまって簡単には次の職を見つけることはできない、という人も当然にいると思うので、何らかのセイフティーネットは必要ですが、その点を恐れて、本来潰れるべき中小企業が潰れないことによる非効率の温存は、我が国全体にとってプラスになりません。

昔は「牛乳配達」という商売が成り立っていました。然し今は配達で牛乳を買う人は少数になっています。にも拘わらず「牛乳配達業者をつぶすな」と補助金を配布しても、ニーズが減少している以上、抜本的な解決にはなっておらず、やはり牛乳配達業者はつぶれざるを得ない、という話をどなたかが仰っていましたが(辛坊治郎さんだったかと記憶しています)、まさにその通りで、潰れるべき企業は潰れるべきだと思います。