民草が皇族・皇室について言及するのはおこがましいとは思いつつも、平成最後の年でもあり、いままで考えてきたことについて、大変僭越ではありますが、私の考えを述べさせて頂きたいと思います。
第一回目は「女系天皇」について。
まず最初に論点を簡単に整理させて頂きたいと思います。
皇室典範第一条には、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と定められており、法律上、女子は皇位に就けないこととなっています。
然し乍ら、
- 戦後に旧宮家が廃止されたこと
- 側室制度が廃止されたこと
- 皇室典範でも非嫡出子は皇族となれないと定められたこと
- その結果として、秋篠宮様がご誕生されたのち悠仁親王のご誕生まで40年以上も皇室に男子がお生まれになっておられないこと
- 悠仁親王以降も男子のご誕生もなく当面その可能性もないこと
以上から、現在は皇室典範第一条の要件を満たす皇位継承資格者が非常に少ない「皇族断絶」の危機にあります。
この現状を解決する為に主に論じられているのは、①旧宮家の皇族復帰、➁女性天皇の容認、③女系天皇の容認、の3つですので、それぞれについて私の考えを述べていきたいと思います。
(尚、側室制度の復活という選択肢も理論上は有り得ますが、現在日本において皇族が側室を持たれることは国民感情的には受け入れられないであろうことから、その選択肢は除外したいと思います)
まず①旧宮家の皇族復帰について。
本来は皇族であったものが戦後GHQによって離脱させられたものに過ぎないので、最も自然な対応がこの旧宮家復帰であるという考え方に拠ります。また歴史的にも臣籍降下された方が皇族に復帰して即位した例は少なくありません。
然し私はこの案には賛同出来ません。
皇族・皇室が存続し得る最大の拠り所は「国民からの尊敬」にあると私は思っています。然しながら既に皇籍から離脱されて半世紀以上経った方が果たして「国民からの尊敬」され得る方かどうか、には疑問が残ります。
元皇族としてそれなりの教育は受けてこられている可能性は高いですが、然し半世紀以上「一般市民」として生活されてこられれば、純粋な皇室・皇族の方々のような俗世間からの隔離もなかった為に想定し得る「リスク」は排除し切れないのではないでしょうか。
➁の女性天皇については、歴史上も少なからずおられますので、皇室・皇族の歴史や伝統の観点から申せば、女性が天皇に即位されることに反対する論拠は一切ありません。然し、女性天皇を容認してしまえば、次に述べる③女系天皇の容認に繋がってしまう、として反対されている方が多いようです。
従いまして、③の女系天皇を容認するかどうかが議論の最大のポイントですが、私は女系天皇は日本の歴史と伝統から見ても何ら問題はない、と考えています。
女系天皇に反対される方の論拠は「我が国の皇室は男系男子で継承されてきており一度たりとも例外はない」というものです。
然し私は決してそうではない、と考えています。
まず初代神武天皇より前にさかのぼりますと、天皇家の皇祖神は天照大御神、即ち女性です。従って皇室は「そもそもが女系」となっています。
また、歴史上「女性天皇」はおられたが「女系天皇」はいなかった、との説にも、持統天皇から元明天皇・元正天皇までの皇位継承を考えれば、決して「女系天皇」がいなかったとは言い切れないのではないか、と感じています。
少し歴史を振り返ってみましょう。
持統天皇は、その御子である草壁皇子が即位前に亡くなられたことから中継ぎとして即位され、その後、孫の軽皇子が文武天皇として即位されるも若くして崩御されてしまいました。
文武天皇の御子である首皇子が幼かった為、草壁皇子の皇太子妃で文武天皇の母であった元明天皇が即位されます。元明天皇は文武天皇の姉である元正天皇に譲位され、その後、首皇子が成人されて聖武天皇が即位されたことで久しぶりの「男系男子」が即位されました。
女系天皇に反対される方は、上述の皇位継承は、あくまでも男系男子の天皇が即位されるまでの中継ぎであり、且つ即位された女性はすべて男系のお血筋であることから、男系男子による皇位継承の中での「女性天皇」の即位であったとされています。
然しこの時代、皇族同志のご結婚が中心であり、皇位継承の可能性のある男子、女子、何れも天皇の血筋を引いておられたことから、特に元明天皇から元正天皇への皇位継承は、男系として継承されていたというお考えではなかった(そもそも男系男子でなければならないというご発想自体が無かった)のではないか、と感じています。
聖武天皇も、男系男子として、というよりも、持統天皇から元明・元正天皇へと続いてきた皇位を継承された「女系男子天皇」と考えることも出来るのではないでしょうか。
この議論は簡単に決着がつくものではなく、最終的に論理的な結論を導くことは困難ですので、私は最終的には皇室の方々に決めて頂ければ良いと思っています。